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三重県

近畿地方の東部に位置する県。伊勢神宮を擁する。

日本列島のほぼ中央にあり、近畿地方の東部にあたる。南北に細長く、北東は伊勢湾に、南東は熊野灘に面する。県域は、伊勢国、伊賀国、志摩国と、紀伊国の一部からなる。県庁所在地は津市。皇室の祖先神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)をまつる伊勢神宮を擁する地域として発展し、江戸時代に「伊勢参り」が流行した。諸国との交易も繁く、伊勢商人が江戸や大坂へ進出し活躍している。明治時代になると四日市港が開港場に指定され、繊維産業を中心にさまざまな近代産業が発達していった。海山に恵まれ、漁業・農業ともに盛ん。海女が素潜りで貝などを獲る「鳥羽・志摩の海女漁の技術」は国重要無形民俗文化財に指定されている。日本有数の観光地であり、伊勢神宮を筆頭に、世界遺産の熊野古道、志摩半島のリアス式海岸など名所が多い。食文化では、伊勢海老、松阪牛、伊勢うどんなどが有名。県花はハナショウブ。県木は神宮杉。県鳥はシロチドリ。

ゆかりの人物

藤堂高虎

伊勢津藩の初代藩主。関ヶ原の戦い、大坂の陣の功により伊勢国の一部、伊賀国一円の領主に命ぜられた。

松尾芭蕉

江戸時代前期の俳人。蕉風を確立して後世に大きな影響を与えた。伊賀国阿拝郡(現在の三重県伊賀市)出身。

本居宣長

『古事記』を研究し、国学を大成した18世紀最大の古典研究家。伊勢国松坂(現在の三重県松阪市)出身。

西行

平安末期の歌人。武士を捨て、諸国を修行して独自の詠風を築く。晩年の一時期を伊勢国の二見浦の近くで過ごした。

河村瑞賢

江戸時代前期の商人で、海運と治水の功労者。伊勢国度会郡東宮村(現在の三重県南伊勢町)出身。

三井高利

江戸時代前期の商人。伊勢国松坂(現在の三重県松阪市)出身。江戸に呉服店「越後屋」を開業した、財閥三井家の家祖。

尾崎行雄

明治から昭和前期の政治家。立憲政治を擁護し、憲政の神様と称された。父の転任で度会県山田(現在の三重県伊勢市)に移住。

江戸川乱歩

大正・昭和時代の小説家。日本における探偵小説の礎を築いた。三重県名賀郡名張町(現在の名張市)出身。

小津安二郎

明治から昭和の映画監督。東京深川で生まれ。 9歳から19歳までを飯南郡神戸村(現在の三重県松阪市)で過ごす。

稲葉三右衛門

明治時代の公共事業家。明治6年(1873)に四日市港の修築に着手し、私財をなげうって明治17年(1884)に完成させた。

名産・特産

伊勢海老

赤褐色で、長いひげを持つ大型の高級海老。味も見た目もよく、古くから縁起物に用いられる。伊勢近海でよく獲れたことが名の由来。

伊勢志摩地方における鮑漁の歴史は古く、2000年以上前から伊勢神宮に奉納されたといわれる。現在も、毎年「熨斗鮑」が奉納されている。

真珠

二枚貝から採取できる宝石。明治時代に三重県出身の御木本幸吉が養殖方法を発見。主に英虞湾で養殖されている。

万古焼

三重県産の陶器。 江戸時代中期に伊勢国桑名の沼浪弄山が小向で創業。更紗文様の赤絵などに優れていた。

伊賀焼

三重県伊賀市丸柱・槇山一帯で作られる陶器。開窯年は不明だが、桃山時代には「織部好み」と伝わる水指や花入が焼かれた。

シロチドリ

チドリ科の鳥類。主に海岸に生息しており、全長は17cmほど。三重の県鳥。

神宮杉

伊勢神宮神域林の主林木のことで、三重の県木。古くから、千枝の杉、鉾杉などの名で多くの詩歌に読まれた。

花菖蒲

アヤメ科の多年草。6月頃に、白や青などの色の花を咲かせる。三重の県花。

高級和牛として人気の高い松阪牛のほかに、伊賀牛も有名。三重県内には銘柄牛を供する、「すき焼き」や「牛鍋」の店も多い。

名所・史跡

伊勢神宮

三重県伊勢市に鎮座し、奈良時代の古式を伝えて全国から参拝者を集める神社

二見浦

三重県伊勢市にある夫婦岩がそびえる海岸。伊勢神宮の参詣者が身を清める禊の場であり、古く歌枕としても知られた。

奥志摩 英虞湾

三重県志摩半島南部にある湾。真珠の養殖が有名。湾内には大小50以上の島が連なり、無数の真珠いかだが列をなす。

伊賀上野城(平楽寺跡)

白鳳城ともよばれる。天正9(1581)築城。4年後に筒井定次が修築し、慶長19年(1614)に築城の名手・藤堂高虎により完成。

関宿の町並み

三重県亀山市、鈴鹿峠のすそ野に広がる関宿。古くから都と東国を結ぶ交通の要衝として栄えた。

熊野古道 伊勢路

三重県の伊勢神宮と和歌山県の熊野速玉大社を結ぶ巡礼の道。

出来事・行事

伊勢参り

鎌倉期以降、伊勢講が発達。伊勢神宮は庶民の参拝者で賑わった

三重暴動・伊勢暴動

明治9年(1876)に三重県で起こった地租改正反対一揆。県下から愛知・岐阜両県にまで拡大した。

伊勢音頭

伊勢参りの流行とともに日本各地に広まった伊勢地方の民謡。古市や川崎の遊廓で伊勢踊りに合わせてうたわれた。

式年遷宮

伊勢神宮では20年ごとに、新殿を造営して旧殿の神体を移す儀式行事「式年遷宮」が行われる。

花の窟神社 お綱かけ神事

三重県熊野市有馬町の花の窟神社のご神体である巨大岩にかけられた綱を張り替える神事。例年2月と10月の2日に行われる。

熊野大花火大会

三重県七里御浜の花火大会。盆の初精霊供養として花火を打ち上げ、火の粉で灯籠焼きをしたのが始まりとされる。

上野天神祭

三重県伊賀市に鎮座する菅原神社の秋祭り。10月の23、24、25日に行われ、だんじり、鬼行列などが町内を巡行する。

芭蕉祭

松尾芭蕉の生誕地である三重県伊賀市で、命日にあたる10月12日に催される。例年、上野公園内の俳聖殿にて式典が行われる。

ゲーター祭

三重県・鳥羽市の神島に伝わる祭。元日の夜明け前、災いをもたらす「アワ」と呼ばれる白い輪を退治し、新しい年の日の出を迎える。

磯部の御神田

三重県志摩市にある伊勢神宮内宮の別宮「伊雑宮」の御料地で催される田植神事。毎年6月24日に豊作を祈り行われる。

伊勢参りを題材とした本と絵画

東海道中膝栗毛

十返舎一九作の江戸時代のベストセラーで、弥次さん喜多さんが江戸から東海道を経て伊勢参りをする珍道中を描く。

伊勢参宮按内記

宝永4年(1707)成立。講古堂主人(加藤長兵衛)による地誌で、伊勢参宮案内の嚆矢とされる。伊勢街道や二見浦などの名所も紹介。

伊勢参宮細見大全

明和3年(1766)刊行。芙蓉山人作、京都からの伊勢参宮道中記。11cm×16cmで携帯しやすく、「参宮用意」などの詳細を記す。

伊勢参宮名所図会 5巻 [5]

寛政9年(1797)刊行。道中の町並みや伊勢神宮の境内が精密な絵で描かれおり、旅にでられない者も見て楽しめる構成が特徴。

伊勢道中行程記

寛延4年(1751)刊行。大坂から伊勢神宮までの行程を、詳細な絵地図で紹介した案内記。絵地図には周辺の風景や名所旧跡も紹介。

「伊勢参宮 宮川の渡し」

江戸時代後期の浮世絵師・歌川広重作。伊勢神宮への主要な入口であった、宮川の渡しの盛況ぶりを描いている。

伊勢参宮略図

安政2年(1855 )刊行。江戸後期の浮世絵師・歌川広重の描いた、集団で伊勢神宮を参拝する「おかげ参り」の図。

豊饒御蔭参之図

幕末から明治の浮世絵師・歌川芳幾の作。「おかげ参り」が題材で、「ええじゃないか」が大流行した慶応3年(1867)9月の刊行。

国芳 伊勢太神宮遷御之図

『伊勢太神宮遷御之図』は、伊勢神宮の遷宮を題材とした浮世絵で、江戸後期に活躍した歌川国芳の作品。

参考文献

  1. 『日本大百科全書(ニッポニカ)』(Japanknowledge) 外部サイト
  2. 『世界大百科事典』(Japanknowledge) 外部サイト
  3. 『国史大辞典』(Japanknowledge) 外部サイト
  4. 『日本歴史地名大系』(JapanKnowledge)外部サイト
  5. 『日本人名大辞典』(JapanKnowledge)外部サイト
  6. 『日本国語大辞典』(JapanKnowledge)外部サイト
  7. 旧国名でみる日本地図帳 : お国アトラス平凡社 編,平凡社古い日本の地理的単位である旧国で区分した地図を、国の概要や特産と共に紹介。郷土の歴史や風土が再発見できる「読む地図帳」。(日本児童図書出版協会)
  8. 古地図で楽しむ三重目崎茂和 編著,風媒社
  9. JapanKnowledge所収コンテンツの最終アクセス日は、いずれも2024/02/29。