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画本虫ゑらみ / The British Museum

Ehon (Picture Books) of Edo (2)

Ehon of Edo from the mid to late Edo period

Ehon, as referred to here, are picture books printed from woodblocks (as a general rule excluding those with hand-drawn illustrations) that were produced in the Edo period (1603–1868) for the illustrations contained within to be enjoyed. While there are many books making abundant use of illustrations, such as novels, including kibyoshi (illustrated storybooks with yellow covers), and practical works such as cookbooks, for all these, the text is primary and the illustrations ancillary. Accordingly, such works are generally not included in the category of ehon. Saga-bon editions of works such as Ise Monogatari (“The Tales of Ise”) and Sanjurokkasen (“Thirty-six Poet Immortals”) published by Koetsu Honami and others in the early-Edo Keicho era (1596–1615) could potentially be viewed as ehon with their illustrations as well, yet for these, too, it is the narrative passages that form their core. This makes it hard to deem them ehon in a pure sense.

             When considering works such as O-umajirushi (“Compendium of Samurai Heraldry”) and Kanei Gyoko-ki (“Record of the Kanei-Era Imperial Visit”) published in the Kanei era (1624–1644), however, the former has the distinction of being the oldest Japanese book printed in color from woodblocks, and the latter is a typeset edition with both text and illustrations featuring the use of kokatsuji (old movable type). While both are scroll-style books, they can be considered examples of printed Japanese ehon with a primary focus on pictures from the very earliest periods.

Under this heading, Ehon (Picture Books) of Edo (2), ehon from up through the mid-Edo period — specifically, through the Anei era (1772–1782) — starting with the two aforementioned Kanei-era works, are presented. Artists include Moronobu Hishikawa (?–1694), Kiyonobu Torii (1664–1729), Masanobu Okumura (1686–1764), Sukenobu Nishikawa (1671–1750), Shunsho Katsukawa (1726–1792), Harunobu Suzuki (1725?–1770), and Shigemasa Kitao (1739–1820).

関連するひと・もの・こと

Picture books of the Tenmei era (1781-1789)

鶴岡蘆水画。巻子本2巻。天明元年(1785)跋刊。名所を描いた本格的絵本で、色摺り豪華巻子本としては、空前絶後のもの。東巻は、隅田川の東岸を川下から東岸に向かって、永川下から永代橋、新大橋、両国橋、大川橋を経て、向島に至り、最後に千住大橋と筑波山を描く。掲出は「新大橋」の図。国立国会図書館所蔵本。

東巻の中程、両国橋を渡る群集の迫力ある描写。国立国会図書館所蔵本。

西巻は、川上から西岸に向かって、神明社、真先稲荷、今戸瓦焼き、橋場、待乳山、浅草、御蔵前、柳橋、中洲を経て、河口に至り、住吉社を描いたのち、富士山を遠望する。掲出の図は、待乳山の聖天宮を遠く見る。国立国会図書館所蔵本。

北尾政演は山東京伝の浮世絵師としての名。本書は、大判錦絵2枚続大の図7枚からなる画帖。天明4(1784)序刊。太夫2人と新造等、数名の吉原の遊女を描き、太夫の自筆とされる和歌、俳諧、詩などを配している。国立国会図書館所蔵本。

本書は、前年出版された錦絵集「青楼名君自筆集」に四方山人(大田南畝)の序文、朱楽館主人(朱楽菅江)の跋文を加えて制作しなおされたものとされる。国立国会図書館所蔵本。

京伝は若くして北尾重政の弟子となり、作家となるより早く浮世絵師として活躍していた。国立国会図書館所蔵本。

大判錦絵7枚からなる折本仕立の絵本。天明5年(1785)刊。「美津朝」とは正月元日がその年、月、日の三つの始めであることからの題。当時の芝居絵、美人画の第一人者、鳥居清長の全盛期の作品。調和のとれた色彩と巧みな筆致で芸術性の高い絵本である。掲載は第三景「弓はしめ」の図。国立国会図書館所蔵本。

第五景「馬のりそめ」。国内では本書の所蔵はこの国会図書館本のみで、ほかにフランス国立図書館、ボストン美術館の所蔵が知られている。

掲載の図は第7景「あきなひはしめ」。本書の版元である絵双紙屋永寿堂(西村与八)の店頭における初売り風景。女性の帯柄には篆書で「永寿」の文字がデザインされている。国立国会図書館所蔵本。

江戸を描いた名所絵本。唐衣橘洲序、北尾重政画。天明6年(1786)蔦屋重三郎刊。3冊。北尾重政(1719-1820)は、江戸中期の浮世絵師。江戸の人。北尾派の祖。独学で鳥居清満、鈴木春信らの画風を学び、一派を樹立。絵本さし絵を多く描き、美人画、風景画にすぐれる。大英博物館所蔵本。

蔦唐丸 (つたのからまる)編、朱楽菅江 (あけらかんこう)作、喜多川歌麿画の江戸名所絵本。天明6年(1786)蔦屋重三郎刊。蔦唐丸は、蔦屋重三郎。大英博物館所蔵本。

喜多川歌麿画の狂歌絵本。半紙本2巻合1冊。天明7年(1787)蔦屋重三郎刊。墨摺。宿屋飯盛序。吉原、両国、臥龍梅、隅田川桟橋などの江戸の名所に、七夕、藤棚、わび住居、春霞、里のあかつき、易と河豚汁、炭とりなどの四季折々の風俗、風情をテーマとする絵と狂歌を取り合わせたもの。大英博物館所蔵本。

勝川春章及び北尾重政画の養蚕図集。1巻。天明6年(1786)正月、江戸前川六左衛門刊。特大本1冊。東台岳北鄒田夫の序を添え、本絵本の制作意図が、養蚕に携わる農村の婦人たちの「千辛万苦」を知らせることにあるとする。特大本の奉書摺り。絵は、蚕を養い、生糸を繰り取り、ちりめんなどの反物に仕上げるまでを描いたもの。国立国会図書館所蔵本。

絵師署名「勝川春章画」「北尾重政画」も各図に見える。両者6図ずつ担当。一枚摺り錦絵の組物として鑑賞することも可能な作りである。メトロポリタン美術館所蔵本。

すべて半丁図、計12図から成り、くすんだ緑や朱等を用いた地味な色遣いである。絵本としては珍しく匡郭がない。各図の上部に雲形の余白を設け、見出し「かゐこやしなひ草第一(~十二)」及び説明を加える。メトロポリタン美術館所蔵本。

江戸名所の図に狂歌や狂詩を詠み込んだ絵本。天明7年(1787)刊。万象亭(森島中良・1754-1810) 編、鍬形蕙斎(北尾政美・1764-1824) 画。初版本は薄墨の摺りで、再版本から彩色版となる。掲出は、国文学研究資料館所蔵の初版本による上野寛永寺。

上野の寛永寺。オランダの国立民族学博物館所蔵の再版の彩色本。

深川八幡。同じくオランダ国立民族学博物館所蔵本。

彩色狂歌絵本。2巻2冊。宿屋飯盛(石川雅望)編、喜多川歌麿画。天明8年(1788)刊。歌麿が蔦屋重三郎(1750-1797)と共に制作した7種の狂歌絵本のうちの一冊で、『潮干のつと』『百千鳥狂歌合』とともに歌麿狂歌絵本三部作の一つ。掲出は大英博物館所蔵本から、「いなご」と「赤蜻蛉」。

同じく大英博物館所蔵本から「蝉」と「きりきりす」。本書は、虫を題によんだ狂歌合わせの形式をとり、その虫類に季節の草花を添えて描いている。

同じく大英博物館所蔵本から「松虫」と「蛍」。歌麿の傑出した写実描写と繊細な印刷技術は世界的にも極めて高く評価され、本書は「世界でもっとも美しい絵本」の評もある。

オランダ国立民族学博物館所蔵の文政6年(1823)再版本。蘭学者の宇田川榕菴(うだがわようあん・1798-1846)がシーボルトに贈呈した本。

オランダ国立民族学博物館所蔵本。

上巻の裏表紙に書かれた宇田川榕菴によるシーボルトへの献辞。オランダ国立民族学博物館所蔵本。

彩色摺狂歌絵本。天明8年(1788)刊。朱楽菅江が率いる八重垣連の狂歌集。本書も安永から寛政にかけて蔦屋重三郎が刊行した狂歌絵本の代表作。空摺りや雲母などが施され、当時の最高水準の技術を駆使して制作された贅沢な作品である。掲出の図は、慶應義塾図書館所蔵本のもの。

本書には波模様や「貝合せ図」の障子に映る手拭いの影の有無等、摺りが異なるものが数種存在するが、掲出の大英博物館本では、図の上部にこの波模様を見ることができる。大英博物館所蔵本。

書名の「潮干のつと」とは「潮干狩りのみやげ」の意。歌麿による貝の絵が下方に描かれる。大英博物館所蔵本。

巻頭の風俗図。慶應義塾図書館所蔵本。

国立国会図書館所蔵本の巻末の「貝合せ図」。本書には波模様や「貝合せ図」の障子に映る手拭いの影の有無等、摺りが異なるものが数種存在するが、国会本では波模様、影ともに無い。

巻末の「貝合せ図」。大英博物館所蔵本。

Picture books from the beginning of the Kansei era (1789-90)

彩色狂歌絵本。喜多川歌麿画、赤松(奇々羅)金鶏撰。板元は蔦屋重三郎。寛政2年(1790)刊と推定。大判2帖。歌麿の鳥の絵に恋の題で詠んだ狂歌を添える。描かれた鳥は、山雀・鴬、燕・雉子、まめまはし・木つゝき、ゑなか・めしろ、山鳥・鶺鴒、鷦鷯・鴫、鶏・頬白(以上前篇)。羽毛の微細な線描に加えて、彩色も濃淡、重ね摺り、拭きぼかしなど、技巧を凝らす。

「鶏・頬白」。収録された狂歌作者は赤松金鶏、酒月米人、頭光、銭屋金埒、宿屋飯盛、芦辺田鶴丸、大屋裏住、寐語軒美憐、唐来三和、鹿津部真顔、唐衣橘洲、朱楽菅江、その他。各狂歌は、当該の鳥の名を詠み込み、恋の狂歌に仕立てている。

「かし鳥・鴟鴞」。後篇の鳥は、木菟・鷽、鵜・鷺、四十雀・こまとり、(雀)・鳩、かし鳥・鴟鴞、鴨・翡翠、鷹・百舌。

国立国会図書館所蔵の『百千鳥狂歌合』。題簽は『絵本百千鳥』。大英博物館所蔵本より後の版と推定されるが、大英博物館本には無い六樹園(石川雅望・1753-1830)の序文が付されている。また、描かれた鳥に若干の異同があり、排列や彩色にも違いが見られる。掲載の図は大英博物館本にはない「鶉・雲雀」の図。

「鶏・頬白」。前篇に収録された鳥は、鷹・百舌、燕・雉子、鶉・雲雀、ゑなか・めしろ、鶏・頬白、四十雀・こまとり。

「かし鳥・鴟鴞」。後篇の収録は、木菟・鷽、かし鳥・鴟鴞、鵜・鷺、鷦鷯・鴫、(雀)・鳩、まめまはし・木つゝき、山鳥・鶺鴒。

狂歌絵本。紀定丸(1760−1841)撰、喜多川歌麿画。寛政元年(1789)蔦屋重三郎刊。「月」をモチーフとした狂歌72首に喜多川歌麿の画をおさめる。『銀世界』(雪)『普賢像』(花)とあわせて雪月花三部作をなす絵本の一つ。画帖仕立。掲出の国立国会図書館所蔵本は、刷りが美しい初刷本。

本書の題簽には「狂月坊」、「狂月望」の2種類があり、「狂月望」の題簽をもつものは後刷本。掲出本は「狂月坊」の題簽があるところから初刷本と知れる。国立国会図書館所蔵本。

「狂月坊」の題簽を持つ大英博物館本。こちらも初刷本と思われる。

狂歌絵本。喜多川歌麿画。寛政2年(1790)、蔦屋重三郎刊。雪をテーマに5枚の絵を組み入れる。掲出は、慶応義塾図書館所蔵本。

同じく慶応義塾図書館所蔵本。

メトロポリタン美術館所蔵本。

References

  1. 鈴木重三 著,美術出版社
  2. 中野三敏 監修,河野実 編,勉誠出版
  3. 中野三敏 監修,河野実 編,勉誠出版
  4. 中野三敏 著,弓立社
  5. 永田生慈 著,KADOKAWA
  6. 中野三敏 監修,河野実 編,勉誠出版
  7. 至文堂 編,国立文化財機構 監修,ぎょうせい
  8. [葛飾北斎] [画],永田生慈 監修解説,芸艸堂
  9. 墨田区文化振興財団 編,東京美術
  10. 「絵本」「画譜」「鈴木春信」「葛飾北斎」「喜多川歌丸」の項目。
  11. 「絵本」「画譜」「鈴木春信」「葛飾北斎」「喜多川歌丸」の項目。
  12. 「絵本」の項目。