日本の刀
日本の刀の構造、種類について知る。
館長挨拶
元々刀が好きだったので興味を持ち、このタイミングで刀に詳しくなろうと思い調べました。
日本の刀の技術、歴史、用途、製造方法、種類をまとめました。日本刀の素晴らしさを皆さんに知って欲しくて作ったのでぜひ最後まで見ていってください!
1、日本刀の分類
日本刀は時代や用途によって「長さ」と「身に付け方」で主に4つに分類されます。
この分類は、主に刀の長さと身に付け方に注目して整理しました。
太刀(たち)平安〜鎌倉時代。刃を下にして腰に吊るします(佩く)。
長さ:二尺以上(約60.6cm以上)
打刀(うちがたな)室町〜江戸時代。刃を上にして帯に差します。いわゆる「刀」です。
長さ:二尺以上(約60.6cm以上)
脇差(わきざし)護身用や室内用で刀とセットで「二本差し」にします。
長さ:一尺以上二尺未満(約30.3cm以上 60.6cm未満)
短刀(たんとう)護身用や近接戦用で鍔(つば)がないものは「合口」と呼びます。
長さ:一尺未満(約30.3cm以下)
このように長さと身に付け方で整理すると、日本刀の違いが分かりやすいとおもいます。
2、日本刀の基本構造と名称
日本刀は大きく分けて、刀本体である「刀身(とうしん)」と、それを収める外装の「拵(こしらえ)」で構成されます。
よく言われる代表的な部分を中心にまとめました。
切先(きっさき): 先端部分です。
刃文(はもん): 焼き入れによって現れる、刃先の白い模様のことです。
鎬(しのぎ): 刃と棟(背)の間にある、縦に走る高い筋です。
地鉄(じがね): 刃文以外の鉄の肌で折り返し鍛錬による模様が出ます。
茎(なかご): 柄に収まる部分でここに作者の名前(銘)が刻まれます。名前が刻まれていないものを無銘と言います。
実際の写真と一緒に名前を見ると印象づくと思います。
3. 日本刀の歴史区分
日本刀はその製作時期によって、呼び名が変わります。
上古刀(じょうことう): 平安時代中期以前のもので、反りのない「直刀」が主流でした。
古刀(ことう): 平安中期〜慶長(1596年)のもので、地域ごとの個性が強いです。
新刀(しんとう): 安土桃山〜江戸中期のもので鉄が均質化し、華やかな刃文が多いのが特徴です。
新々刀(しんしんとう): 江戸後期のもので、古刀への回帰を目指した力強い作風です。
現代刀(げんだいとう): 明治以降〜現在の美術品としての製作が中心です。
この後日本の刀をたくさん紹介していこうと思うので、それを見て違いを楽しんでください!
様々な刀
- 太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱)
伯耆安綱,By Yasutsuna,東京国立博物館,Tokyo National Museum
<p>伯耆安綱は平安時代を代表する刀工。なかでもこの太刀は、名物童子切(どうじきり)安綱としてとくに名高く、細かく不定形な小乱の刃文は複雑な変化をみせている。その名は、凶賊退治の名刀が酒呑童子(しゅてんどうじ)伝説などと結びついたと考えられ、天下五剣の一つとして足利将軍家、徳川将軍家から越前松平家、津山松平家に伝来した。<br /></p>
平安時代を代表する刀工が作った刀が徳川将軍家に伝来しているのはロマンを感じる。
- 太刀(号 小龍景光)
長船景光,By Kagemitsu,東京国立博物館,Tokyo National Museum
<p> 日本の刀剣で、刃がついておらず、ひと回り細くなって握るところを「茎(なかご)」といいます。保管するときは、茎を柄(つか)にはめ、鞘(さや)に納めます。この太刀は、茎の上の方に、剣に巻き付いた龍、同じ場所の反対側には古代インドの文字である梵字(ぼんじ)が立体的に彫刻されています。この龍は倶利伽羅龍王(くりからりゅうおう)という不動明王(ふどうみょうおう)の化身で、梵字もこの明王を文字であらわしたものです。不動明王は仏教で信仰されたホトケで、人々から困りごとを焼き払ってくれると信じられ、日本の刀剣では彫刻でさかんにあらわされました。この太刀は、所有者から所有者へ伝えられるなかで寸法を短くしたため、外装としての柄に嵌めると龍は完全に見えず、小さく見えることになります。これに因んで「小龍景光」と呼ばれています。<br /> 作者の長船景光は、14世紀前半に岡山県東南部で栄えた長船派の名工で、この太刀はその代表作として著名です。木材の年輪を思わせる地鉄(じがね)という肌模様は非常に緻密で、黒く見える部分と白い刃の間で輝く刃文(はもん)は、直線的で緊張感があります。刃文のなかに半円形で片方が角ばったものが見られますが、これは景光やその弟子などの作品でよく見られます。</p><br /><p>景光は、鎌倉時代末期の備前(岡山県東南部)長船(おさふね)派の正系の刀工です。この太刀は、小板目(こいため)のよく約(つ)んだ地鉄(じ・がね)に、直刃(すぐ・は)調の逆足(さか・あし)が入った刃文(はもん)で、景光の傑作にあげられます。表裏に棒樋を彫り、その元に中に小さく倶利迦羅龍(くりからりゅう)(表)と梵字(裏)を浮彫としていることから「小龍景光」の号があります。<br /></p>
刀剣に緻密な倶利伽羅龍の彫刻を備えた、備前長船派を代表する洗練された一振りです。
- 刀 銘 備前国住長船勝光/永正十二年二月吉日
勝光,Katsumitsu
本作は、庵棟(いおりむね)、身幅(みはば)と重(かさ)ねは尋常、反り頃合い、中鋒(ちゅうきっさき)で、腰反(こしぞ)り、茎(なかご)は寸詰まりの典型的な末古刀(すえことう)姿を示しており、鍛えは、杢目(もくめ)肌が詰み、処々板目(いため)肌が流れ、刃文は直刃調、刃縁(はべり)締まりごころで小沸(こにえ)つき、ところどころほつれて、鎺元(はばきもと)にしたがいわずかに小さく乱れる。帽子は直ぐに先尖(さきとが)りごころに小丸(こまる)。彫刻は表裏とも丸止めの棒樋(ぼうひ)、加えて添樋(そえび)がある。茎(なかご)には、表裏に作者と年紀銘がある。俗銘は切られていないが、次郎左衛門尉勝光の入念(にゅうねん)作である。
室町時代後期の「末古刀(すえことう)」らしい、力強く引き締まった姿と、緻密な彫り込みが美しい一振りです。
- 太刀 銘 長光
長光,Nagamitsu
本作は、生(う)ぶ在銘で、腰反(こしぞ)り深く、小鋒(こきっさき)。刃文は細直刃(ほそすぐは)調にきわめて小さい小乱れを交じえるなど比較的大人しい出来(でき)である。茎(なかご)には個性ある長光の二字銘がある。鎌倉期のものは無銘ものが多いが、長光は現存在銘刀が多い刀工の一人でもある。
鎌倉時代の名工・長光による作品で、気品のある細い刃文(直刃)と、当時の武士の好みを反映した優雅な反りが特徴です。
- 太刀 銘(菊紋)菊御作
菊御作,Kikugosaku,京都国立博物館 Kyoto National Museum,Kyoto National Museum
<p>本品は鎺(はばき)下に十二弁の菊花文が刻まれ<br />た後鳥羽天皇由来の刀剣。後鳥羽天皇は、<br />安徳天皇の退位を待たずして神器を欠い<br />たまま即位し、その後、草薙剣が壇ノ浦<br />の合戦で失われたため、その反動からか<br />山城・備前・備中の名工を召して御番鍛冶<br />とし、作刀にあたらせたとされる。後鳥<br />羽天皇の手による刀を菊御作と呼ぶ。</p>
後鳥羽上皇自らが作刀に関わったとされる伝説的な刀で、茎(なかご)に刻まれた「十六弁の菊紋」が皇室の象徴として輝いています。
- 太刀(名物 大包平)
古備前包平,By Kanehira,東京国立博物館,Tokyo National Museum
<p>わが国では、平安時代末期に、現在まで直接連なる日本刀の形が完成しました。包平はこのころの備前国(岡山県東南部)の刀工で、「大包平」の名は当時の太刀としては刃わたりが特に長いことにちなみます。焼刃の模様(刃文)は光を当てると強く輝き、圧倒的な迫力を生み出しています。</p>
「日本刀の最高傑作」と称されることも多い一振りで、他に類を見ない圧倒的な大きさと、古備前派の力強い地鉄(じがね)が圧巻です。
展示をご覧いただき、ありがとうございました。日本刀の世界はいかがでしたでしょうか。
時代ごとに武士が求めた「美」と「機能」の形はさまざまです。
一振り一振りに込められた刀工の情熱や、それを受け継いできた人々の歴史を感じていただけたならよかったです。「鳥居反り」や「備前鍛冶」の知識を持って、また別の機会に本物の刀を眺めてみると、新しい発見があると思います!






