菖蒲
サトイモ科の多年草。また、アヤメ科のハナショウブのこともいう。
サトイモ科の多年草で独特の芳香がある。古くは「あやめ」「あやめぐさ(菖蒲草)」と呼んだ。日本各地の池や川のそばに群生し、根茎は淡赤色で太く地表を這う。葉は二列相互につき剣状線形、長さは70cmほど。初夏に葉間から花茎を出す。
その芳香から邪気や疫病を祓う力があると信じられ、端午の節句には矢羽根形に切って髪に挿したり、鉢巻のように頭に結んだり、家の軒に束ねて挿すなどして厄祓いをした。風呂や酒に入れ菖蒲湯や菖蒲酒にもする。
菖蒲は『万葉集』から歌に詠まれ、平安時代に成立した『枕草子』や『蜻蛉日記』にも菖蒲を用いた端午の節句の風習が綴られている。武家の時代には、葉が剣の形をしていることや音が尚武(しょうぶ)に通じることにちなみ、菖蒲打ちなどの行事が行われ男児の節供とされるようになった。
アヤメ科のハナショウブのことも菖蒲と呼び、菖蒲園といえばハナショウブの庭園を指す。日本に野生するノハナショウブを改良した園芸種で、初夏に紫色、白色、絞りなどの美しい花を咲かす。葉は剣状で二列に並び互生する。燕子花(かきつばた)や渓蓀(あやめ)と似ているが、燕子花は水生で渓蓀は陸生。花菖蒲は水陸どちらにも生育する。
江戸時代に品種改良が盛んに行われ、色、形、大きさなどの異なる多様な花が誕生した。堀切(東京都葛飾区)が花菖蒲の名所として知られ、歌川広重を筆頭に多くの浮世絵師がその様子を描いている。
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東京都葛飾区にある植物園。昔から花菖蒲の名所として知られ、その種類は約200種、6000株におよぶ。6月上旬から中旬が見頃。
明治神宮御苑の菖蒲田では、約150種、1500株の花菖蒲が咲く。明治12年(1879)に堀切の江戸花菖蒲を移し開設された。
国立科学博物館附属自然教育園内に生息している生物の種名や写真を調べることができる。
国立科学博物館筑波実験植物園内の植物を検索することができる。研究者ノートなど専門的な解説もあり。
熊本大学薬学部 薬草園内の薬用植物を検索できるデータベース。ショウブとハナショウブのページもあり、写真とともに薬効や用途などが解説されている。
1000種類以上の植物、花の名前がわかる植物図鑑。ハナショウブの種類や育て方などについて、「趣味の園芸」講師陣の専門家が執筆している。
参考文献
- 山田卓三, 中嶋信太郎 著,北隆館
- 木村陽二郎 監修,植物文化研究会, 雅麗 編,柏書房
- 平田喜信, 身崎寿 著,東京堂出版


















