源氏物語
平安時代の女性作家、紫式部が著した王朝物語。貴公子光源氏を主役とした華やかな物語は、絵画芸術にも影響を与えた。
11世紀初頭、紫式部が著した物語文学である。全54帖から成り、主人公・光源氏(ひかるげんじ)の波乱に満ちた人生と、その没後の世界(宇治十帖)を描く。光源氏は、華やかな貴族社会を舞台に、多くの女性と恋をし、挫折を乗り越えて権力の座を手に入れるも、やがて最愛の妻・紫の上の死を境に人生の暗いふちを実感する。ともあれ、貴公子光源氏を主役として、平安時代の華麗な世界を描いている。
この物語について、鎌倉時代の評論『無名草子』(むみょうそうし)には、「これほどの作品を作り出したのは、凡夫(並の人)のしわざとは思われない」と褒めたたえている。この作品は平安貴族の間で親しまれる一方、世界観を視覚化した『源氏物語絵巻』『源氏物語図屏風』など、「源氏絵」と呼ばれる絵画芸術を派生させた。また、この物語を題材として、多くの近・現代作家が、改めて小説や戯曲などで作品化し、現代語訳もなされ、国際的評価も極めて高い。
作者の紫式部は、天延3年(975)、漢学者・歌人の藤原為時の娘として生まれ、その影響を受け、高い教養を備えた女性であった。兄に惟規(歌人)がいたが、若死にした。式部は、長徳4年(998)、藤原宣孝(山城守・左衛門権佐)と結婚し、娘(賢子)を産んだが、夫とは長保3年(1001)に死別。寛弘2-3年(1005-1006)ごろ、一条天皇の中宮・彰子(しょうし)に仕え、その宮廷生活を記録した『紫式部日記』を残した。歌集に『紫式部集』がある。長和3年(1014)ごろ、死去したといわれる。
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| タイトル | 主催者 | 会場 | 開始 | 終了 |
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愛知県名古屋市に所在。「源氏物語絵巻」や『源氏物語』「初音」の意匠をあしらった婚礼調度品「初音の調度」(いずれも国宝)を所蔵している。
京都府京都市に所在。重要文化財の「源氏物語絵色紙帖」のほか「源氏物語図」などを所蔵。
京都府宇治市に所在。『源氏物語』に関する資料の収集・保管のほか、復元模型や映像の展示を行っている。
東京都立川市に所在。『源氏物語』をはじめとする多くの古典籍を閲覧できるほか、関連サイト「古典選集本文データベース」には「絵入源氏物語データベース」もある。
早稲田大学図書館九曜文庫(くようぶんこ)の「源氏物語」関係コレクション。古写本、版本、絵画資料などを閲覧できる。
参考文献
- 小学館






