解説
雄鶏の奥から雌鶏が顔を出し、手前に描かれた雛を見守っている。雄鶏の姿は鶏冠や肉髥から羽、尾、脚にいたるまで濃密に描かれているのに比べ、雌鶏と雛が単純化されているため、見逃してしまいそうな構図である。雄鶏の背中の羽の部分にはわずかではあるが、墨の滲みの効果を利用した若冲特有のいわゆる「筋目描き」の描写も見られる。左端に記された落款には「米斗翁行年七十九歳画」とあり、若冲が天明8年(1788)の天明の大火後に石峰寺(現在の京都市伏見区深草)の門前に構えた庵で制作していた時期でもある寛政6年(1794)の作と分かる。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09