解説
児島高徳は南北朝の武将。高徳は後醍醐天皇の倒幕計画に呼応し、備前(現在の岡山県)にて蜂起。後に天皇が隠岐配流となると、奪還を企てたが失敗。天皇一行が宿泊した夜、警備の目を盗み宿所の庭に入り、桜の木に「天勾践を空しうすることなかれ、時に范蠡なきにしもあらず」と刻み、天皇を激励したという。勾践と范蠡は中国・春秋時代の主君とその主君の危機を救った参謀のこと。本作ではまさに高徳がその言葉を刻み込まんと小刀を抜き出した刹那の場面が描かれる。歴史画で名士として知られた米僊の本地を窺い知れる佳品といえよう。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09