解説
現在、雪佳の描いた「白鳳図」としてよく知られるのは、大正時代末頃の制作の双幅《朝陽老松・白鳳図》(個人蔵)と、昭和天皇即位の大礼の際に制作された《白鳳図》(細見美術館蔵)である。いずれの作品も本作と類似しており、白鳳の首の角度や顔の表情が違うものの、身体の向きはほぼ同じである。白鳳は松の幹にとまり、視線の先にいる何者かを威嚇するような表情を見せる。松と白鳳という取り合わせは、伊藤若冲の《動植綵絵 老松白鳳図》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)を想起させるが、その描法を見ると、大らかな線で描かれた白鳳に、たらし込みの技法を使った松の幹、こんもりとした松葉の塊など、琳派作品から継承した画技が冴えわたっている。落款・印章から制作時期は大正末頃から昭和初期あたりと推測される。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09