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毘沙門天立像 The Guardian God Bishamontenびしゃもんてんりゅうぞう

解説

 片手に宝塔を捧げ持つ毘沙門天の像です。東西南北ににらみをきかせ仏教を守護する四天王のうち、北方を守る多聞天(たもんてん)は、毘沙門天(びしゃもんてん)と呼ばれ単独でも人びとの信仰を集めました。
 この像は、平安時代の終わりに作られたものです。全体に動きが控えめで穏やかな印象は、平安時代の仏像の特徴です。毘沙門天の衣をよく見ると、緑・青・橙(だいだい)・赤などの美しい色が塗られています。さらに、細く切った金箔で繊細な文様を表す截金(きりかね)という技法が全身に使われていることがわかります。優美で華麗な装飾は、平安時代後期の仏像や仏画の特徴です。いっぽう、引き締まった顔の表情や、内側から水晶をはめてきらりと目を光らせる「玉眼」(ぎょくがん)という技法を使っている点は、鎌倉時代に流行する写実的な仏像の先がけということができるでしょう。
 実はこの像の中には、全部で513体もの毘沙門天の姿を表わした110枚の紙が納められていました。これは印仏(いんぶつ)といって、仏像の形を版に彫ってスタンプのように押したものです。ほかに、美しく彩色された仏画もありました。毘沙門天の衣の色が、仏像とほぼ同じであることから、仏像がつくられたのと同じ時期に納められたものと考えられます。たくさんのスタンプをひとつひとつ押した人はこの仏像にどんな思いをこめたのでしょうか。


京都府との境近くにあった奈良・中川寺@なかがわでら@(現在は廃絶)に安置されていた毘沙門天立像です。小ぶりな顔立ちや均整のとれた体つきなどから、慶派@けいは@仏師の源流である奈良仏師の作と考えられます。細く切った金箔や彩色による華やかな文様は、平安時代後期の美意識を伝えます。

メタデータ

教育

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収録されているデータベース

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ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。

2026/03/30