解説
日本の仏像ではいちばん古い時期に作られた作品です。うら側からのぞくと、中が赤く塗られています。この時代の金属でできた仏像によく見られるものですが、なぜ赤く塗られたのかは、わかっていません。仏さまの力が宿る神聖な場所のしるしでしょうか。(160705_h22_教育普及室特集親と子)
大きく衣の裾を広げて座る如来(にょらい)の姿。その作風は法隆寺金堂の本尊、釈迦如来像(しゃかにょらい)にたいへんよく似ています。法隆寺の本尊は我が国最初の著名な仏師である止利(とり)によって623年に作られた像で、この作品も止利の様式に連なるものと考えられています。大きく切れ長の目、弧を描いた眉と高い鼻筋。わずかにほほ笑んだ表情。面長な顔立ちや、細い体つきなどは、飛鳥時代初期の仏像の特徴です。
前に大きく突き出した両手とは対照的に、肉体の実在感が薄い身体の造形、また左右の対称性を強く意識した構成は、形式的でありながら不思議と威厳を感じさせます。特にお腹や脚の正面、垂れた衣のひだに見られるU字形の反復は像にリズムを与え、動きの少ない像に、躍動感を与えています。この時代の仏像は中国南北朝時代にその源流があり、朝鮮半島を経て我が国に伝えられました。聖徳太子が仏教を文化の柱とした時代。太子の周辺において信仰されていた仏の姿です。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/03/30