解説
唐櫃(からびつ)は収納のための箱で、特に脚をつけることで、箱本体を宙に浮かせたものを言います。この唐櫃は、蓋(ふた)の表や箱の身、脚に厚い夜光貝の螺鈿(らでん)によって鳳凰(ほうおう)が表わされています。螺鈿とは貝殻の内側にある真珠層を板状に加工し、これを切り抜いて漆にはめ込む技法です。
鳳凰は左右の翼を広げて尾羽を丸め、全体が円形にデザインされています。鳥の内側部分の漆(うるし)には細かな金粉が蒔(ま)かれ、それによってほんのりと鳳凰が浮き上がるような効果を生んでいます。大胆で大きな文様が放つ白く上品な光は、漆の艶やかな黒に映え、平安時代に洗練された日本的な美意識をここに見ることができます。
収録されているデータベース
ColBase
ColBase: 国立文化財機構所蔵品統合検索システムは、国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館)と一つの研究所(奈良文化財研究所)の所蔵品を、横断的に検索できるサービスです。
最終更新日
2026/05/25