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猪形埴輪 Tomb Sculpture (Haniwa): Boarいのししがたはにわ

解説

 これは埴輪(はにわ)。有力者や王の墓である古墳(こふん)を飾った素焼きの土製品です。アーモンド形の眼に深く切り込まれた口、特徴的な鼻の表現で、猪だとわかります。頭の上から首の後ろにかけての盛り上がりはたてがみを表しています。また、太い首からつながるどっしりした背中と短いしっぽが、シンプルなようですがしっかりと猪の特徴をとらえ、その肉付きを見事に表現しています。ただ、後ろに回ってみると、一つおかしなところが見つかりませんか。脚の裏を半円形に斜めに切り込んで蹄(ひづめ)を表しているのですが、実際の猪の蹄は前で二つに分かれており、このような形ではありません。このような脚の表現はむしろ馬形の埴輪とそっくりです。作った人が馬と同じ脚をつけてしまったのでしょうか。
 猪の埴輪は、しばしば犬の埴輪とセットで古墳に置かれ、猟犬を使って獲物を追いこむ狩猟の場面を表しています。この猪と同じ古墳からも、犬の埴輪が発掘されています。かわいらしい見かけとは対照的に、猟犬に吠えたてられる猪という緊張した場面を表しているのですね。この埴輪が作られた古墳時代後期になると、それまでの家や道具形の埴輪に加え、人や動物などの埴輪も古墳を飾り、様々な場面を表すようになりました。これらは葬送のための祭祀の場面や、葬られた人の生前の営みを表したと考えられています。


切れ長の目や背中のたてがみは猪の特徴をよく捉えています。ただし四脚が長いうえ、脚裏を半円形に切り欠く蹄+ひずめ+の表現があるなど、実際の猪とは異なります。こうした特徴は馬形埴輪と共通しているため、猪を実際に見ずに馬形埴輪の部分を流用したのでしょう。

メタデータ

教育

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収録されているデータベース

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2026/06/29