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家畜として最も歴史のある動物。日本でも古くから猟犬や番犬として用いた

食肉目イヌ科の哺乳類。イエイヌともいう。家畜中で最も歴史が古く、旧石器時代後期の遺跡から発見される。祖先はディンゴやパリア犬に近い犬で、中東やインドから東南アジアにかけて家畜化されたといわれ、オオカミやジャッカルとの混血もあったと思われる。嗅覚が鋭く、体の構造は長距離を走るのに適し、耐久力が強い。群居性、雑食性だが、動物質が主。6~9か月で性的に成熟し、12歳で老犬。ときに20歳まで生きる。利口で従順。品種は非常に多く400種以上になるという。

古来、日本に土着したイヌが日本犬で、和犬とも言われ、1万年以上前に南方アジアから縄文人とともに渡来した。最古の骨は縄文期の遺跡から発掘される。この時代のイヌの形質をよく残しているのが北海道犬と琉球犬で、2種は近縁である。その他の日本犬は、2000年ほど前から朝鮮半島を経由して入ってきたイヌが、縄文時代からの在来犬と混血してできたと推測されている。現在の日本犬の特徴は、いずれも吻(ふん)がとがり、立耳巻尾である。昭和9年(1934)、日本犬保存会は秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬を在来犬種と定めた。

古くから猟犬や番犬として飼育され、大和朝廷には番犬を飼育する「犬養部」が置かれていた。平安時代以降は鷹狩をはじめ狩猟に犬が重用され、外国からも輸入された。ペットとしても飼育され、『枕草紙』にも記されている。一方、平安時代末から鎌倉時代にかけて行われた「犬追物」は犬を狩猟動物に見立てた武技で、犬狩りなどとともに手近な虐待対象ともなった。江戸時代になると、野犬が横行し、皮や肉の利用を図って犬が捕殺された。このような風潮に対し、徳川綱吉は「生類憐みの令」を発し、犬の愛護と登録を命じた。

寝室に置いて幼児の魔除けとする郷土玩具の「犬張子」や、安産を祈って妊婦が妊娠5か月の戌の日に締める「岩田帯」など、犬に関する習俗も少なくない。曲亭馬琴(きょくていばきん)作の『南総里見八犬伝』では妖犬八房(やつふさ)が登場し、姓に「犬」の字をもつ8人の剣士が活躍する。なお、神社や寺院の門前に置かれる「狛犬」は本来は獅子で、日本人にとっては想像上の動物であり、獅子の姿がしだいに犬に近づいて「狛犬」と呼ばれるようになった。

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  • 和歌山県伊都郡かつらぎ町にある神社で、世界文化遺産である「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産のひとつ。弘法大師を高野山に導いたのが当神社のお使いである白黒2頭の犬と伝わることから、ご神犬として紀州犬が奉献されている。毎月16日に斎行される月次祭の後にご神犬がご神前に参拝し、一定時間公開されている。

  • 秋田県大館市にある観光交流施設。秋田犬に関する資料展示などがある。

  • 伝統文化である土佐闘犬大会を開催している。土佐犬の歴史や闘犬のルールなどが紹介されている。

  • 各地の支部主催で年2回開かれる。見学可。

  • 国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国内外の資料・情報を広く収集・保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供しています。                                             

  • 日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。

  • 愛知県名古屋市の中心部、栄に1955年に開館した「愛知県文化会館美術館」を前身とする愛知県美術館は、都市型の複合的な文化施設である愛知芸術文化センターの中の美術館として、1992年に開館しました。20世紀の美術を中心に、考古から現代美術にわたる約8,000件のコレクションを有し、また幅広いジャンルの展覧会を多数実現しています。地域の中核的な美術館として、より創造的で多様性に富む社会の実現に寄与すべく、美術・文化の発振地となることを目指しています。

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  • 日本犬6犬種の特徴などを詳細に紹介している。

  • さまざまな犬種を写真付きで解説。

参考文献

  1. 棚橋正博 著,青裳堂書店
  2. 日立デジタル平凡社,平凡社