本文に飛ぶ
「富嶽三十六景」 「礫川 雪ノ旦」 / 立命館大学アート・リサーチセンター

雪見

雪景色を鑑賞する習俗。記録の上では『日本三代実録』に見える貞観14年(872)に行われた宴が最も早い。

日本は温帯の中でも世界有数の多雪地帯であり、雪に関わる習俗が多い。積雪地帯が雪害に悩む一方、雪の少ない太平洋側の都市では、雪を「六花(りっか、むつのはな)」と称し、雪景色を観賞する雪見の習慣がみられる。「六花」とは、雪の結晶が六角状の形をしていることから生じた雪の別名である。

記録の上では『日本三代実録』に見える貞観14年(872)に行われた雪見の宴が最も早い。11世紀初頭に成立した『枕草子(まくらのそうし)』に、白居易の『白氏文集(はくしもんじゅう)』に見られる「《香炉峰(こうろほう)の雪》が見たい」とほのめかす定子(ていし)の意をくみ、簾を上げて庭の雪景色を見せる清少納言の逸話がある。

その後も雪見は貴族たちの間で行われ、11世紀には白河上皇が雪見の御幸を行い、建長3年(1251)には、後嵯峨上皇(ごさがじょうこう)が船に乗って雪見を行った記録がある。

江戸時代になると雪見の習慣は庶民の間にも浸透し、愛宕山、長命寺、牛御前王子権現社、日暮里浄光寺、三囲(みめぐり)稲荷、浅草の待乳山(まっちやま)、市ヶ谷八幡宮、上野寛永寺などが江戸っ子たちの雪見の名所となったという。 

関連するひと・もの・こと

本で知る

もっと知りたい

動画で探す

ジャパンサーチの外で調べる

  • 国立国会図書館の電子展示会「錦絵でたのしむ江戸の名所」では、江戸時代の名所の賑わいや景観、季節の娯楽などを垣間見ることができる。「雪」の項では雪にまつわる錦絵がまとめてある。

参考文献