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躑躅(ツツジ)

春から夏にかけて赤、白などの花をつける低木

ツツジ科ツツジ属Rhododendronの低木または小高木。葉は常緑または落葉性で互生し、花は鐘形あるいは筒型の合弁花である。分類学的には落葉あるいは半常緑性のものをツツジ類、常緑性のものをシャクナゲ類とするが、日本ではシャクナゲといえばホンシャクナゲの仲間のみに使われ、常緑ではあってもヒカゲツツジなどをシャクナゲと呼ぶことはない。一方、中国などからヨーロッパに入った常緑性のものが園芸化されロードデンドロンの名で、また東アジアやアメリカの落葉性のものが園芸化されてアザレアAzaleaの名で日本に入ってきて、やや混乱を起こしている。しかし、系統的には落葉と常緑と間に本質的な違いはなく、したがって、ツツジ類とシャクナゲ類の区別は便宜的なものといえる。

ツツジ属植物は世界に850種が知られる大きな群れで、いくつかの亜属に分類されるが、このうちツツジ亜属に分類される植物が、ふつうにツツジと呼ばれるもので、コメツツジ、ヤマツツジ、ミヤマキリシマなどがある。ツツジの花には親しみのもてる可憐さがあり、古くから世界各地で多くの園芸品種がつくられてきた。日本でも固有の野生種から品種がつくられている。ツツジの栽培は江戸時代に盛んとなり、多くの品種が各地でつくられ、その土地の名を冠している。ケラマツツジからヒラドツツジやサタツツジ、ヤマツツジからキリシマツツジやクルメツツジという具合である。

ツツジは初夏に咲くので、農耕開始の象徴とされた。「天道花(てんとうばな)」と呼ばれ、竿の先にフジなどとともにツツジをつけて庭先に立てる風習があったが、これは神を山から招く依代(よりしろ)であった。

ツツジは各地の公園などに植えられるが、群馬県館林市の躑躅ヶ岡公園は有名。山梨県の躑躅原(つつじがはら)のレンゲツツジ群落や徳島県船窪のオンツツジ群落、長崎県池の原のミヤマキリシマ群落が天然記念物に指定されている。

なお、サツキ(皐月)もツツジの仲間で、花形や樹姿はツツジと同様だが、開花の時期が際立って遅い。江戸時代、ツツジにやや遅れて栽培や品種の開発が盛んとなり、一時衰えたが、大正時代頃から再び盛んになった。古くからヨーロッパに伝わり、アザレア系の園芸品種の重要な基本種となった。

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  • 群馬県館林市。国の名勝「躑躅ケ岡」を有する総合公園。1627年(寛永4)に館林城主榊原(松平)忠次がツツジの古木群を移植して以来、大名らにより保護育成されてきた。江戸キリシマの品種がまとまって残されており、またヤマツツジ、オオヤマツツジの中から特に花色の変異したものを館林市オリジナル品種として登録した。

  • 宮崎県北諸県郡三股町。6万本のクルメツツジが咲く公園。

  • 国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国内外の資料・情報を広く収集・保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供しています。                                             

  • 日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。

  • 独立行政法人国立美術館は、我が国における芸術文化の創造と発展、国民の美的感性の育成を使命とする、美術振興の中心的拠点です。東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立映画アーカイブ、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館の6つの美術館を設置し 、そ れ ぞ れ の館の特色にあわせた、個性豊かで多彩な活動を展開しています。

  • 東京大学では「東京大学デジタルアーカイブズ構築事業」を推進し、学内にある貴重な学術資産のデジタル化と一般公開、データの活用に取り組んでいます。この事業は、附属図書館・総合研究博物館・文書館・情報基盤センターの協力により推進しています。

  • 東京富士美術館は、1983年11月3日に東京西郊の学園都市・八王子にオープンしました。「世界市民を育む美術館」をモットーに、世界31カ国・1地域の美術館や文化機関との友好関係を築きながら、各国の優れた芸術を紹介する海外文化交流特別展を企画・開催しています。収蔵品は日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど約3万点に及び、とりわけルネサンス、バロック、ロココ、ロマン主義、印象派、現代にいたる西洋絵画500年の流れを一望できる油彩画コレクションと、写真の誕生から現代までの写真史を概観できる写真コレクションは国内有数のコレクションとして知られています。

  • 慶應義塾大学には6つのキャンパスに図書館(メディアセンター)があり、豊富な蔵書とデジタルコンテンツの提供を通じて慶應義塾の研究・教育・医療を支援しています。

  • 三重の歴史・文化デジタルアーカイブでは、県内の文化施設等の所蔵品・図書・貴重資料・行政資料・統計資料、県内にある指定・登録文化財、県内各地に点在するまちかど博物館や句碑、道標等の文化資産を検索することができます。

  • 1998年に設立したアート・リサーチセンター(ARC)は、私たち人類が持つ文化を後世に伝達するために、芸術、芸能、技術、技能を中心とした有形・無形の人間文化の所産を、歴史的、社会的観点から研究・分析し、記録・整理・保存・発信することを目的としています。ARCが有する日本文化資源の膨大なデータベースの利用を国内外の共同研究者に開放するとともに、これまでに蓄積してきたデジタル・アーカイブ技術やデータベース管理技術を研究プロジェクト活動の基盤として提供し、情報アーカイブ・知識循環型共同研究を推進しています。こうした取組を通して、デジタル・ヒューマニティーズ分野の“世界水準の研究拠点形成”を目指しています。

ジャパンサーチの外で調べる

  • 「NHKみんなの趣味の園芸」(NHK出版)公式サイト。植物や花の基本情報、育て方などを「趣味の園芸」講師陣が執筆。園芸相談Q&Aや特集コーナーがある。

  • 国立科学博物館附属の自然教育園で開園以来記録されたことのある生物の種名2865種、動植物や風景の写真約1900点を検索することができる。

  • 国立科学博物館の筑波実験植物園内にある植物を検索することができる。2020年現在の登録種数1711種。研究者ノートなど専門的な解説もある。

  • 春夏秋冬、花にまつわる人と歴史と文学の物語。参考資料集、植物名索引、写真索引を付す。

参考文献

  1. 「ツツジ」の項
  2. 「ツツジ」の項
  3. 日立デジタル平凡社,平凡社
  4. 「躑躅」の項