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源氏絵1 「桐壺」から「篝火」まで
平安時代から描き続けられた『源氏物語』の絵画作品。第一帖「桐壺」から第二十七帖「篝火」まで。
源氏絵とは『源氏物語』を題材にした絵画作品。物語が成立してから間もなく、絵画作品も手掛けられたとされ、最古の遺品は平安時代末期に制作された、『源氏物語絵巻』(国宝)である。絵巻や画帖、屛風、扇面、さらには染織や工芸作品に源氏絵は描かれ、江戸時代には浮世絵作品の題材としても多く採用された。
ここでは、『源氏物語』の第一帖「桐壺」から第二十七帖「篝火」までの源氏絵を紹介する。
【第一帖 桐壺】
室町から安土桃山時代にかけて活躍した絵師・土佐光吉による画帖。光源氏が高麗人の観相を受ける場面を描く。
【第二帖 帚木(ははきぎ)】室町時代後期の絵師・土佐光元が手がけたと伝わる画帖。雨夜の品定めの場面を描く。
【第三帖 空蝉(うつせみ)】作者不明。室町時代後期と推定される作品。空蝉と軒端荻(のきばのおぎ)が碁を打つところを、光源氏が覗き見る場面を描く。
【第四帖 夕顔】浮世絵師・鈴木春信が描く源氏絵。光源氏が夕顔邸を訪れた場面を見立てた浮世絵作品。
【第五帖 若紫】浮世絵師・歌川広重が描く源氏絵。光源氏が若紫を垣間見る場面を描く。
【第六帖 末摘花(すえつむはな)】室町から安土桃山時代にかけて活躍した絵師・土佐光吉による画帖。末摘花邸を訪れた光源氏が頭中将と鉢合わせる場面を描く。
【第七帖 紅葉賀(もみじのが)】江戸時代後期の絵師・梅戸在親が手掛けた六曲一双屏風。光源氏と頭中将の青海波の舞を描く。
【第八帖 花宴(はなのえん)】江戸時代初期の絵師・岩佐又兵衛が描いたと伝わる源氏絵。光源氏と朧月夜の逢瀬を描く。
【第九帖 葵】安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した絵師・狩野山楽による四曲一隻屛風。車争いの場面を描く。
【第十帖 賢木(さかき)】室町時代後期の絵師・土佐光元の作品と伝わる。光源氏と六条御息所の別れの場面を描く。
【第十一帖 花散里(はなちるさと)】室町から安土桃山時代にかけて活躍した絵師・土佐光吉による画帖。光源氏が麗景殿女御の邸を訪れた場面を描く。
【第十二帖 須磨】明治から大正にかけて活躍した尾形月耕による源氏絵。須磨に退去した光源氏が、都を思い雁の歌を詠んだ場面を描く。
【第十三帖 明石】作者不明。安土桃山時代の作品とされる六曲一双屏風。光源氏が須磨から明石へと移る場面を描く。
【第十四帖 澪標(みおつくし)】室町から安土桃山時代にかけて活躍した絵師・土佐光吉による画帖。光源氏一行が住吉に参詣する場面を描く。
【第十五帖 蓬生(よもぎう)】作者不明。安土桃山時代の作品とされる六曲一双屏風。光源氏が荒れ果てた末摘花邸を訪ねる場面を描く。
【第十六帖 関屋】俵屋宗達が手がけた江戸時代初期の作品。石山寺参詣に向かう光源氏が、逢坂の関でかつての愛人空蝉の一行と出会う場面。
【第十七帖 絵合(えあわせ)】江戸時代後期の絵師・狩野清川院養信(かのうせいせんいんおさのぶ)が手がけた六曲一双屏風。冷泉帝御前での絵合の場面を描く。
【第十九帖 薄雲】室町から安土桃山時代にかけて活躍した絵師・土佐光吉による画帖。光源氏が明石の君のもとを訪ね、鵜飼船の漁火を眺める場面。
【第二十帖 朝顔】明治から大正にかけて活躍した尾形月耕が手がけた源氏絵。女童が雪まろばしをする場面を描く。
【第二十一帖 少女】江戸中期の絵師・板谷桂舟が手掛けた作品。六条院で秋好中宮の女童が紫の上に紅葉を届ける場面を描く。
【第二十二帖 玉鬘(たまかずら)】岩佐派の絵師が手掛けたとされる、「桐壺」「明石」など計12場面を配した屛風作品。新春に贈る衣装を選ぶ光源氏と紫の上の姿場面が描かれる。
【第二十三帖 初音】江戸中期の絵師・板谷桂舟が手掛けた作品。正月に小松引きを行う場面が描かれる。
【第二十四帖 胡蝶(こちょう)】江戸時代後期の絵師・狩野清川院養信が手がけた六曲一双屏風。六条院で催された船楽の場面を描く。
【第二十五帖 蛍】室町から安土桃山時代にかけて活躍した絵師・土佐光吉による画帖。蛍兵部卿宮が玉鬘を垣間見る場面を描く。
【第二十六帖 常夏(とこなつ)】江戸時代前期の絵師・住吉具慶が手掛けた、計5場面が収録される絵巻作品。雲居雁(くもいのかり)が昼寝をする場面が描かれる。
【第二十七帖 篝火(かがりび)】室町時代後期の絵師・土佐光元が手がけたと伝わる画帖。光源氏と玉鬘が歌を詠む場面を描く。
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参考文献
- 稲本万里子 著,森話社
- 稲本万里子, 木村朗子, 龍澤彩 執筆,田口榮一 監修,東京美術
- 学習研究社