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日本の文様2 動物、植物

動物、植物に分類される、日本の伝統的な文様。

工芸品や衣装、建築など、装飾のために表面を彩る図様を文様と言う。模様と言うこともある。同一の形が連続する幾何学的なもの、人工物や自然物を象り、単純化したものなど、文様にはさまざまな種類がある。長寿や成長、五穀豊穣など、吉祥の意味を込められたものも多い。

ここでは、古くから用いられた日本の伝統的な文様のうち、動物、植物に関する文様について代表的なものを紹介する。

動物

中国の想像上の霊鳥。代表的な吉祥文様として愛好される。紋章としては「桐竹鳳凰」「鳳凰の丸」「舞鳳凰」などがある。

中国の想像上の霊獣で、万能を表す吉祥文様。紋章としては「丸龍」「雨龍」「双龍文」などがある。

ライオンに似た想像上の動物。牡丹を合わせた「獅子に牡丹」が有名。そのほか、「獅子の丸「向かい獅子の丸」などの紋章がある。

松竹梅や亀とともに長寿繁栄を表す吉祥文様。紋章としては「鶴丸」「鶴菱」「向い鶴」などがある。

鶴と同じく長寿繁栄を表す吉祥文様。紋章としては「一つ蓑亀」「水に亀」などがある。

不老不死や子孫繁栄を表す吉祥文様。紋章としては「真向いの兎」「波に兎」「後ろ向き三つ並び兎」などがある。

神の使いとして神聖視される動物で、長寿の吉祥文様としても愛される。紋章としては「抱き角」などがある。

古来より時を告げる鳥として、吉祥の象徴とされる。紋章としては「鶏の丸」などがある。

おしどり。雌雄二羽で仲睦まじく泳ぐことから、夫婦円満の象徴とされる。紋章としては「向かい鴛鴦の丸」などがある。

千取りは千を取る、千の福を得るという意味に転じて、勝運祈願、目標達成を表す。紋章としては「丸に千鳥」「陰三つ千鳥」「浪輪に陰千鳥」などがある。

幸運を運ぶ鳥、君臣の忠誠の象徴などとして知られる。紋章としては「結び雁金」「飛雁金」などがある。

権威の象徴とされて、公家や武士に好まれた鳥。代表的な文様の「違い鷹の羽」は、矢羽根として用いられる鷹の羽を図案化したもの。

古来より神の使いと考えられ、吉祥の象徴とされる。紋章としては「鷺桐」「中輪に飛鷺」「丸に立ち鷺に水」などがある。

羽柄や形の美しさから、華麗な文様として古くから愛される。紋章としては「蝶の丸」「向い蝶」「揚羽蝶」などがある。

とんぼ。前にしか進まないことから「勝虫」と呼ばれ、武人に好まれた。紋章としては「三つ蜻蛉」などがある。

腰の曲がったひげの長い老人を連想させることから、不老長寿の象徴とされる。紋章としては「海老の丸」などがある。

蟹そのものを文様として描く場合が多い。紋章としては「蟹牡丹」「蟹鳥文」などがある。

登龍門の故事から、立身出世の象徴とされる。江戸時代後期、「鯉の滝登り」の図様は武家や江戸っ子に好まれ、祝い着などに用いられた。

植物

長寿を象徴する吉祥文様。松の木全体を描くものが多いが、松葉を図様化した「松葉文」もある。

梅、菊、蘭とともに四君子とされる吉祥文様。紋章としては「切り竹に笹」「変り九枚笹に竹」などがある。

松、竹とともに歳寒三友のひとつとして知られる吉祥文様。紋章としては「白銀梅」「裏梅」「光琳梅」などがある。

古くから春の花として愛でられ、さまざまに意匠化される花。紋章としては「山桜」「丸に細山桜」「九曜桜」などがある。

長寿や魔除けの象徴とされる吉祥文様。桃そのものを図案化したもののほか、「丸に桃」「三つ葉付き桃」などの紋章がある。

「万葉集」で数多く詠まれ、思慕する女性の比喩に用いられる。紋章としては「向う山吹」「抱き山吹」などがある。

新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄」の縁起物とされる。紋章としては「抱き柏」「丸に三つ柏」などがある。

嵯峨野天皇が「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」に用いたことから皇室ゆかりの高貴な紋とされる。三枚の葉の上に七つの花、左右それぞれに五つの花を立てた「五七桐」が代表的な文様。

松と同様、常緑が「永遠」を意味すると解釈され、古くから好まれた。橘そのものを図案化した文様のほか、「抱き橘」などの紋章がある。

邪気を払う植物として古くから信仰の対象とされた。紋章としては「雪持ち柳」や「籠目柳」などがある。

「百花の王」と呼ばれる富貴の象徴。獅子と組み合わせた「牡丹に獅子」は建築装飾や武具などにも用いられ、江戸時代には庶民の間でも広まった。

泥水の中から美しい花を咲かせることから、純粋性の象徴とされる。紋章としては「立ち蓮花」「割蓮花」「蓮葉丸」などがある。

古来より衣服や装飾の模様として貴族に愛用された。中心に杜若の花と六枚の葉を立てて丸で囲んだ「丸に立ち杜若」が代表的な紋章として知られる。

葵の葉をモチーフにした文様。徳川家の家紋である「三つ葉葵」はフタバアオイの葉を三枚組み合わせたもの。

子孫繁栄、厄除けの縁起物。豊臣秀吉の「千成瓢箪」が有名。紋章としては「並び瓢(ひさご)」「抱き瓢」などがある。

木や石に着生して繁茂する、その生命力の強さから縁起物とされる。紋章としては、「外三つ割り蔦」「中陰蔦」などがある。

古代中国では不老長寿の霊草とされ、日本でも吉祥文様として古くから用いられた。皇室の紋章としても知られる。紋章としては「十六菊」「乱菊」などがある。

秋の風物として、古くから愛好される。鹿や流水などと組み合わせた意匠が多い。紋章としては「三つ楓」「立て楓」「水に楓」などがある。

生命力が強いことから長寿の象徴とされる。紋章としては「三つ銀杏」「一つ銀杏巴」などがある。

冬に葉を落とさないのは呪力を持つためと考えられ、古来より神聖視される。「水天宮椿」が代表的な文様として知られるほか、「三つ椿車」「三つ椿」などの紋章がある。

清廉潔白な心を象徴する意匠として愛好される。「根笹」が代表的な文様として知られるほか、「上杉笹」「雪持ち笹」などの紋章が知られる。

関連するひと・もの・こと

参考文献

  1. コロナ・ブックス編集部 編,平凡社日本人の生活に身近な全110種類の文様を紹介。工芸・染織から家紋まで,豊富な図版とあわせ,その成り立ちや変遷,意味を解説。(日本児童図書出版協会)