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鴛鴦

夫婦和合の象徴とされる鳥類。雄の飾り羽は美しい色彩を誇る。

カモ目カモ科の水鳥。漢字表記は「鴛鴦」で、鴛は雄、鴦は雌の個体を表す。雄の全長は45cmほどで、雌はそれよりもやや小ぶりの体型をもつ。中国北東部、朝鮮半島、サハリン、日本などに分布し、ヨーロッパの一部地域にも放鳥され、自然繁殖している。山地の湖沼や河川などの水辺の暗い所を住処とし、水生の昆虫や小動物を主食としながら、秋にはドングリを好んで食べることが知られている。

繁殖期の雄は美しい色彩をもつ飾り羽がみられ、その形状から銀杏羽、剣羽などとも呼ばれる。繁殖期が過ぎると飾り羽は脱落して全体的に雌に似た配色となるが、赤味を帯びた雄の嘴は通年変わることはない。オシドリの群れにおいては雄が圧倒的多数であり、繁殖行動に際して雌に選ばれようとする目的からこのような美飾が促されたと考えられている。一方、雌は灰褐色の体毛で覆われ、胸の部分に斑が並び、目の周りが白いのが特徴である。

日本における古名は「おし(をし)」であり、奈良時代に成立した歴史書『日本書紀』(720年)にもその名が見られる。また、番(つがい)で行動することが多いことから、古くから夫婦和合の象徴とされている。仲睦まじい夫婦のたとえとして「おしどり夫婦」「鴛鴦(えんおう)の契り」などの言葉があり、オシドリの図柄は吉祥紋様としても親しまれ、桃山〜江戸時代には刺繍や蒔絵などにも取り入れられた。我が国最古のオシドリの図柄の遺品としては、正倉院の宝物である「赤地鴛鴦唐草文錦 (あかじおしどりからくさもんのにしき) 」が伝わっている。

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参考文献

  1. 氏原巨雄, 氏原道昭 著,誠文堂新光社
  2. 日本野鳥の会 編,上田恵介 監修,山と溪谷社