暁鐘成編『西国三十三所名所図会』 / 東京国立博物館 所蔵
西国三十三所
近畿一円にある33か所の観音霊場。平安後期に巡礼路として整備された
近畿地方を中心に散在する33か所の観音霊場。巡礼者が札を納めるので三十三札所(ふだしょ)とも称する。「三十三」は「観音経」などが説く、観音が33に変身して衆生(しゅじょう)を救うことに由来するという。坂東三十三所や四国八十八所(遍路)とともに代表的な巡礼。和歌山県那智の青岸渡(せいがんと)寺を第一番とし、近畿一円(和歌山・大阪・奈良・京都・滋賀・兵庫の6府県)の古寺を巡って、岐阜県の谷汲山華厳(けごん)寺を納めとする。大和長谷(はせ)寺の徳道(とくどう)上人または花山(かざん)法皇が観音霊場を一巡したことに始まるという。巡礼路として形が整ったのは平安後期で、巡礼順は久安6年(1150)の長谷僧正『参詣次第』、応保元年(1161)の覚忠『三十三所巡礼記』などにみられる。鎌倉時代までは聖や修験者(しゅげんしゃ)などの巡礼が中心だったが、南北朝内乱が終わるころから、地方武士を中心とする俗人も巡礼するようになった。応仁の乱(応仁元年-文明9年[1467-1477])後とくに盛況を見せ、関東地方をはじめとする東国からの巡礼も少なくなかった。戦国期には坂東三十三所と秩父三十四所とあわせ、日本百観音霊場が成立。江戸時代にはほかにも多くの地方霊場が成立し、巡礼の行楽化が進んだ。
霊場一覧
青岸渡寺紀三井寺粉河寺(以上和歌山県)施福寺葛井寺(以上大阪府)壺阪寺岡寺長谷寺興福寺(以上奈良県)三室戸寺醍醐寺(以上京都府)岩間寺石山寺園城寺(以上滋賀県)観音寺清水寺六波羅蜜寺頂法寺行願寺善峯寺穴太寺(以上京都府)総持寺勝尾寺(以上大阪府)中山寺清水寺一乗寺円教寺(以上兵庫県)成相寺松尾寺(以上京都府)宝厳寺長命寺観音正寺(以上滋賀県)華厳寺(岐阜県)※ 寺院・順番には史料により異同がある
青岸渡寺
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西国三十三所札所会による西国三十三所の詳細な参詣ガイド。宗派、本尊、御詠歌、地図、巡礼の歴史などを掲載。
参考文献
- 加藤友康 [ほか]編,吉川弘文館
- 歴史学研究会 編,岩波書店