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「能面 大飛出(おおとびで)」(江戸時代・17~18世紀) / 東京国立博物館

世阿弥

室町初期の能役者・作者・理論家。「幽玄」の美を追求した

1363?-1443?(正平18?/貞治2?-嘉吉3?)

室町時代初期の能役者、能作者で、能の理論家でもあった。観阿弥の長男で、観世(かんぜ)流2世の大夫。幼名は鬼夜叉(おにやしゃ)、藤若で、観世三郎元清を本名とする。芸名は世阿弥陀仏で、世阿弥はその略称。12歳のとき(1375年の永和元年か、その前年の応安7年)に京都今熊野(いまくまの)で父とともに演能し、それを見物していた室町幕府3代将軍の足利義満の庇護を受けるようになった。藤若の名を与えた公家の二条良基(よしもと)は、世阿弥を稀代の美少年と称しており、義満もその可憐さに魅了されたのであろう。しかし、応永15年(1408)に義満が急逝すると支持者を失うこととなり、その後は不遇で、大夫の継承をめぐって6代将軍足利義教の怒りをかったためか、永享6年(1434)佐渡国(現在の新潟県)に流された。『風姿花伝』(『花伝書』の俗称は誤り)や『花鏡』など20を超える能楽書を残しており、「幽玄」とよばれる優雅な美を追求し、題名に共通する「花」は能の魅力を持続させるための理論とされ、さらに幽玄を止揚した「闌位(らんい)」という無心の芸位についても説いている。能の代表作として「高砂(たかさご)」「頼政」「敦盛」「井筒」「西行桜」「班女(はんじょ)」「砧(きぬた)」などがある。一身で能の作者、演者、理論家を体現しており、能楽史上でも稀な重要人物といえよう。

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  • 東京都渋谷区に所在。観世家に関わる能に関する貴重な資料が保存されています。

  • 新潟県佐渡市真野に所在。800年前の世界へタイムスリップし、佐渡ヶ島の歴史を体感できるミュージアム。「佐渡の歴史と伝説(歴伝)」は全十二景からなり、世阿弥だけでなく順徳天皇・日蓮聖人ら流罪となった人々の歴史と、佐渡の人々が受け継いできた伝統のルーツを展示しています。

  • 「エンパク」の名で親しまれる早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、1928(昭和3)年10月、坪内逍遥博士が古稀の齢(70歳)に達したのと、その半生を傾倒した「シェークスピヤ全集」全40巻の翻訳が完成したのを記念して、各界有志の協賛により設立されました。以来、アジアで唯一の/世界で有数の演劇専門総合博物館として、日本国内のみならず、世界各地の演劇・映像関連資料の収集につとめてきました。およそ100万点にもおよぶ膨大なコレクションは、90年にわたり培われた”演劇の歴史”そのものといえるでしょう。演劇人・映画人ばかりでなく、文学・歴史・服飾・建築をはじめ、様々な分野の方々の研究に貢献しています。

  • 住所:104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX地下3階。

  • 住所:113-0033 東京都文京区本郷1-5-9

  • 住所:141-0021 東京都品川区上大崎4-6-9

  • 日本芸術文化振興会が運営するサイト「文化デジタルライブラリー」より。「世阿弥のいた環境」「世阿弥と能作者たち」「世阿弥の業績」について紹介している。

  • 一般財団法人・観世文庫が所蔵する能楽関係史料を、インターネット上で検索・閲覧することができるデジタル・アーカイブ。

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参考文献

  1. 岩波書店 久松潜一・西尾実 校注 『風姿花伝』『申楽談義』などを所収。
  2. 岩波書店 表章・ 加藤周一 校注。
  3. 中央公論社  山崎正和 編訳 
  4. サンプルページ「世阿弥」の項
  5. 「世阿弥」の項
  6. 「世阿弥」の項
  7. 「世阿弥」の項
  8. 歴史学研究会 編,岩波書店
  9. サンプルページ「風姿花伝」の項