茶の湯
抹茶をたてて楽しむ喫茶文化の一つ。建築、造園、書道、工芸、思想、料理などさまざまな文化を取り入れ、総合芸術に発展した。
喫茶を中心とする宴席の芸能として発展した生活文化のこと。近年は精神性や修行性が強調され、茶道とも呼ばれる。
喫茶の文化が日本に入ってきたのは奈良~平安時代初期の頃で、遣唐使や留学僧によって伝えられたといわれる。『日本後紀』弘仁6年(815)4月22日の項に、嵯峨天皇に大僧都永忠が茶を煎じて献じた由の記述が見られ、これが茶に関する最古の記録だという。しかし、喫茶の文化は国風文化の時代を迎えると失われてしまう。
喫茶文化の再輸入は鎌倉時代に臨済宗をもたらした栄西によるもの。宋代の喫茶の習慣が日本へもたらされると、禅宗寺院や武家社会に浸透し、鎌倉時代後期になると民衆の間に広まっていった。室町時代には、書院造の成立と共に武家の儀礼として定着し、唐物と呼ばれる中国からの茶器や座敷飾りを用いた茶の湯が成立する。
現代の茶道へ至る流れを決定付けたのは、15世紀後半の村田珠光(むらたじゅこう)によって生み出され、武野紹鴎(たけのじょうおう)・千利久によって完成された「侘び茶」(わびちゃ)である。その弟子たちに継承された茶の湯は、建築・造園・書道・工芸・思想・料理など、さまざまなジャンルの文化を取り込んだ総合芸術となっていく。
茶会の亭主は客を別世界に誘うため、ひなびた「露地」(ろじ。草庵式の茶室の庭園で石灯籠や飛び石などを置く)を備えた茶室を用意し、室内の床の間には禅僧の墨跡による掛軸や、茶花を飾った。掛け軸の理解のためには、当然、宗教的な素養が必要となる。更に茶を楽しむ中で懐石料理が提供され、季節感や亭主の茶道観を表現した献立が工夫された。
戦国時代、今井宗久(いまいそうきゅう・堺)・神谷宗湛(かみやそうたん・博多)といった豪商たちの間で茶が流行し、武将では織田信長・豊臣秀吉をはじめ多くの武将たちが茶会を催す。だが、利久の死以後、家元に統制される形に変わっていく。
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| タイトル | 主催者 | 会場 | 開始 | 終了 |
|---|---|---|---|---|
| 東京国立博物館 平成館 | 2017/4/11 | 2017/6/4 | ||
| 徳川美術館 | 2005/6/25 | 2005/7/24 | ||
| 島根県立美術館 | 2016/4/20 | 2016/5/30 | ||
| MOA美術館 | 2013/8/23 | 2013/10/2 | ||
見に行く・調べる
茶室の茶掛けとして茶人達に珍重された国宝「与虎丘紹隆印可状」を始め、多数の茶道具を収集・展示している。また、東京国立博物館HPの「1089ブログ」でも、茶道具について初心者向けに解説を行っている。
「茶の湯」をテーマにした特別展を過去に複数実施しているほか、名品ギャラリー(平常展示)でさまざまな焼き物を展示している。
表千家茶道をまなぶ人や茶の湯に興味を持つ一般市民が、気軽に茶の湯文化にふれるための文化会館。毎年、秋の恒例行事として「特別展」と「茶の湯文化にふれる市民講座」を開催する。京都洛北の景勝地、北山にある。
裏千家の茶道美術や資料を収蔵している資料館。昭和54年(1979)11月に開館。昭和44年(1969)に設置した「今日庵文庫」は、裏千家歴代家元が収集した、茶道に関する6万点を超える図書を収蔵・保管している。
岩﨑彌之助と岩﨑小彌太の父子2代が築いた静嘉堂コレクションを基に、平成4年(1992)4月に開館された私立美術館。国宝「曜変天目」を始めとする約6,500点の東洋古美術品を所蔵している。
東武鉄道の社長などを務めた実業家・初代根津嘉一郎による日本・東洋の古美術品コレクションを保存・展示するために、昭和16年(1941)に開館された私立美術館。嘉一郎が青山と号して茶の湯を楽しむなかで収集した茶道具の数々も、コレクションの重要な柱となっている。
茶道具を中心に、書画、陶磁、漆芸、能装束など、日本、中国、朝鮮の古美術品を展示公開している私立美術館。収蔵品は、国宝6件、重要文化財33件を含む約1300件。創立者の創立者畠山一清(1881―1971)は、技術者としてポンプの開発に取組み、株式会社荏原製作所を興して実業界に名を馳せた。事業のかたわら、即翁と号して能楽と茶の湯を嗜み、美術品の蒐集に努めた。
日本・東洋の古美術コレクションを収蔵する三井文庫別館が日本橋に移転して平成17年(2005)10月に開設された私立美術館。三井家は家祖・三井高利の次の代に11家に分かれて各課が茶道具を中心とする美術品を収集した。美術館では国宝「志野茶碗 銘卯花墻」を所蔵するほか、展示室では国宝茶室如庵を再現している。
静岡県熱海市に所在する美術館。能や茶の湯を推進しており、日本庭園に「茶の庭」や茶室を有している。
明治時代に活躍した実業家・藤田傳三郎と、息子の平太郎、徳次郎による東洋古美術コレクションを公開するため、昭和29年(1954)に開館した私立美術館。国宝「曜変天目茶碗」ほか約2000件のコレクションを有している。
旧安宅産業株式会社が収集した「安宅コレクション」の中国・韓国陶磁器を中心に大阪市が設立し、昭和57年(1982)11月に開館した市立美術館。国宝「飛青磁花生」ほか中国陶磁器144件、韓国陶磁器793件を中心に収蔵している。
茶道流派の一つ薮内流の薮内燕庵公式サイト。茶室や露地など、図・写真を交えて紹介している。
