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曲亭馬琴

江戸後期を代表する戯作者。『南総里見八犬伝』の著者

1767-1848(明和4-嘉永1)

江戸後期の戯作者。江戸の人。本名滝沢興邦(おきくに)、後に解(とく)。著作堂主人、蓑笠漁隠(さりつぎょいん)、玄同陳人など多数の号がある。江戸深川の生まれ。父は旗本松平信成家の用人。父の死後、滝沢家を継いで武家奉公をするが14歳のときに主家を出奔。武家の渡り奉公をするなど放蕩の生活を送ったが、24歳で戯作を志して山東京伝に入門を請い、寛政3年(1791)、黄表紙『尽用而二分狂言(つかいはたしてにぶきょうげん)』を京伝門人大栄山人の名で刊行。以後、黄表紙の執筆や京伝の代作を行うかたわら、書肆蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)の番頭をつとめた時期もある。

寛政5年(1793)飯田町の履物商伊勢屋の寡婦に婿として入り、以後は戯作に専心。寛政8年(1796)の『高尾船字文』を嚆矢として長編の読本を続々著し、なかでも『三七全伝南柯夢(さんしちぜんでんなんかのゆめ)』と『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』は大きな好評を博した。文化11年(1814年)には、大作『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』の刊行を開始し、以後28年をかけてこれを完成させた。読本の作風は中国白話小説に学んだもので、雄大な構想と伝奇性を備え、幕末から明治三十年代にいたるまで大きな人気を保った。

長編の読本に力作が多く、『弓張月』『八犬伝』のほかに『開巻驚奇侠客伝』『近世説美少年録』などがあり、他に、『燕石襍誌(えんせきざっし)』『烹雑之記(にまぜのき)』『玄同放言』『兎園小説』などの考証の著作、滝沢家の歴史・家族の伝記を記した『吾仏(あがほとけ)の記』、同時代の戯作者の評伝『近世物之本江戸作者部類』などがある。また、残された膨大な日記、書簡も馬琴の生涯や当時の戯作界を知る貴重な資料となっている。

晩年は長男宗伯の早世、自身の失明などの不幸に見舞われるが、宗伯未亡人のお路に口述して代筆させて『八犬伝』を完成させたエピソードは知られている。嘉永元年(1848)11月6日死去。墓所は現に小石川・茗荷谷の深光寺に所在する。

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『南総里見八犬伝』執筆の苦心

馬琴の旧蔵本・書き入れ本・書簡など

『八犬伝』自筆稿本と完成本の比較

国立国会図書館が所蔵する『南総里見八犬伝』の自筆稿本は、当時の執筆の実状がわかる貴重な資料だが、特に目を引くのは、挿絵の下絵から、見返し、絵の四周を囲む飾枠(匡郭)、目次、奥付、広告の案文など、本文以外に対するさまざまな指示で、これを見ると馬琴の下絵が単なるラフスケッチではなく、画工(絵師)、彫り師、摺り師に対して細かい指示を出すことによって、造本の全体に深く関っていた様子がうかがえる。

ここであげるのは、第九輯巻一の見返しと九輯巻五の挿絵の例で、稿本の青色の枠の部分をクリックすると、刊行本の同じ箇所があらわれて、稿本の指示が完成本でどのように実現されたかをみることができる。

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『八犬伝』を題材にした映画・放送番組など

タイトルデータベース解説

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  • 国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館。曲亭馬琴の版本、自筆稿本、書簡などの多くの貴重資料を所蔵し、閲覧することができる。

  • 曲亭馬琴自筆の日記や『南総里見八犬伝』原稿、『新編金瓶梅』原稿などをはじめとする、馬琴関係の貴重書のコレクションで知られている。

  • 馬琴作の歌舞伎や演劇作品の台本が閲覧できる。

  • 東京都文京区深光寺の墓所にある。

ジャパンサーチの外で調べる

  • 早稲田大学・古典籍総合データベースによる電子展示「江戸文学の世界」中のコンテンツ。「馬琴の生涯」、「年譜」、「主要な作品」、「馬琴をめぐる人々」の四部にわかれ、極めて充実した内容の展示となっている。

  • 曲亭馬琴の自筆書簡、『南総里見八犬伝』第9輯の自筆稿本などを見ることができる。

  • 『南総里見八犬伝』ゆかりの館山市による電子展示。館山市立博物館所蔵の『八犬伝』関係の役者絵、双六、見立絵など、400点以上の錦絵を公開している。

  • 「瀧澤」「曲亭蔵本」「瀧澤文庫」の三種類の馬琴蔵書印を紹介する。

  • 「馬琴と国芳・国定 八犬伝と弓張月」(2017年6月)の資料集。

参考文献

  1. 曲亭馬琴 著,徳田武 校注,岩波書店
  2. 木村三四吾 著,八木書店
  3. [滝沢]馬琴 [著],柴田光彦, 神田正行 編,八木書店
  4. 神保五弥, 杉浦日向子 [著],新潮社
  5. 鈴木重三 著,美術出版社
  6. 日本書籍出版協会京都支部 編,日本書籍出版協会
  7. 「曲亭馬琴」の項
  8. 「読本(よみほん)」の項
  9. 「曲亭馬琴」の項