雉
日本の国鳥。古来、羽根の美しさが称揚され、食肉としても珍重された。
日本の国鳥(1947年指定)。キギス、キギシとも呼ばれ、古くから親しまれてきた。雌雄で身体上の差異が大きく、雄は尾羽が長く羽色と飾り羽が美しいものが多い。鳴き声は「ケーンケーン」、羽を打つ音は「ほろろ」などと表現される。地震の来るときなどに大声で鳴くことから予知能力があるとされ、日本では大きな意義が与えられてきた。その影響は、白雉が祥瑞として改元の機になるまでに及んだ。(650年-654年の元号「白雉(はくち)」。改元の次第は『日本書紀』に詳しい)『古事記』の天若日子(あめのわかひこ)の監視役に天から雉名鳴女(きぎしのななきめ)が遣わされるも射殺される話から、行って帰らぬ使いを「雉の頓使い(きぎしのひたつかい)」という言葉がある。また、広く庶民にも親しまれ、現代でも馴染み深い昔話「桃太郎」ではお供の一員として雉が登場する他、摂津長柄(せっつながら)橋の人柱の伝説にも雉が登場する。
地上性で捕まえやすく、肉が豊富かつ美味なため、日本では先史時代から狩りの対象となり、冬に大勢で追い回して、雪の上で動けなくなったところを捕まえる「雉追い」の猟法があった。食肉としては、王朝時代より鳥肉中最高のものとされ、平安時代の宮廷の供宴では鷹狩で鷹に捕らせた雉が最高のもてなしだった。鎌倉末期には、魚は鯉、鳥では雉がもっとも高貴という観念が定着。室町時代の『四条流包丁書』には「鳥とだけ言えば雉を指す」とある。料理法については、平安後期の『江家次第』、室町時代の『今川大双紙』、江戸初期の『料理物語』など、多くの料理書や故実書に記載がある。
現代でも猟鳥として指定され、人工的に増やされた雉が毎年10万羽ほど放鳥される。
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国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国内外の資料・情報を広く収集・保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供しています。
日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。葛飾北斎による「雉子と蛇」、河鍋暁斎「花鳥図」、岡本秋暉「雉図」等の他、立体作品では「色絵雉置物」(五代清水六兵衛)を収蔵しています。
平安時代から江戸時代の京都文化を中心とした文化財を取り扱う地域に根ざした博物館です。七宝雉形香炉を所蔵しています。
「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」をコンセプトにした博物館です。狩野山楽の「桃花雉図」を所蔵しています。
東京富士美術館は、1983年11月3日に東京西郊の学園都市・八王子にオープンしました。「世界を語る美術館」をモットーに、世界31カ国・1地域の美術館や文化機関との友好関係を築きながら、各国の優れた芸術を紹介する海外文化交流特別展を企画・開催しています。収蔵品は日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど約3万点に及び、とりわけルネサンス、バロック、ロココ、ロマン主義、印象派、現代にいたる西洋絵画500年の流れを一望できる油彩画コレクションと、写真の誕生から現代までの写真史を概観できる写真コレクションは国内有数のコレクションとして知られています。渡辺省亭の「糸桜に双雉之図」を所蔵しています。
独立行政法人国立公文書館は、国の行政機関などから移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を保存管理しています。当館は、その保存実務から一般利用まで広く事業を行うことにより、歴史資料として重要な公文書等の適切な保存と利用を図ることを目的とした施設です。『四条流包丁書』、『料理物語』を所蔵しています。
所在地は京都府京都市左京区。園内の「京都の森エリア」では、ニホンキジが飼育展示されています。
所在地は金沢市。隣には兼六園、および旧美術館(現・県立伝統産業工芸館)があり、野々村仁清作「色絵雉香炉」(国宝)を所蔵。
栃木、群馬、埼玉、茨城県にわたる日本最大の遊水地。キジやその他の野鳥を観察することができる。
東京都品川区にある神社。「雉子(きじ)神社」の名は、慶長年間に三代将軍・徳川家光がこの地に鷹狩りに訪れた時に、一羽の白雉がこの社地に飛び入ったのを追って社前に詣で、「以後雉子宮と称すべし」と言ったことによるものと伝わる。
京都市上京区にある寺院。円山応挙による杉戸絵「桜雉図」がある。
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SUNTORYが運営する鳥の百科事典。フリーワードや特徴、鳴き声で検索できる。イラストや写真も豊富。
日本野鳥の会が運営するサイト。野鳥に関する様々な情報を知ることができる。膨大な数の投稿写真は、検索しやすいように分類されている。
日本国内唯一の全国的な狩猟団体。狩猟鳥獣の項目でキジについても説明されている。
環境省の東北地区の地方環境事務所のアクティブ・レンジャー日記。2008年4月14日、2009年11月5日、2011年1月7日の記事に、キジについての記述がある。
参考文献
- 堀田正敦著 ; 鈴木道男編著,平凡社,堀田, 正敦(1758-1832)||ホッタ, マサアツ <AU00329450> 鈴木, 道男(1958-)||スズキ, ミチオ <AU00329451>
