「源頼光大江山入之図」 / ARC浮世絵ポータルデータベース
頼光
源頼光(よりみつ、らいこう)は平安時代中期の武将。天暦2年(948)に生まれ、74歳で没した実在の人物です。
頼光や配下の武者達の武勇譚を題材とした、いわゆる「頼光伝説」は、頼光を主人公として多くの作品に取り上げられたもので、あるいはその逸話をベースとした物語が作り上げられてきました。それらは、さらに能、浄瑠璃、歌舞伎などの芸能に取り上げられ、人口に膾炙してきました。
頼光の時代は武家が次第に興隆し始めた時代でした。頼光の武勇談は、源平の戦いのような身内の権力の争奪戦ではなく、強力な中央の王権を守るための異界の敵との戦いです。異界のもの、すなわち人々にとって未知のものと果敢に戦う頼光を頭領とする武士の活躍は、当時の人々の目には、英雄として映ったことでしょう。
【大江山鬼人退治】
酒呑童子関連の人物と逸話を描いた組み物。六枚組かどうかは不明。
酒呑童子関連の人物と逸話を描いた組み物。六枚組かどうかは不明。
酒呑童子関連の人物と逸話を描いた組み物。六枚組かどうかは不明。
本作は、長谷川小信による明治20年(1887)の作品で、頼光説話の全体を示した6枚組の錦絵の前半3枚です。当時の頼光に関わる説話の全貌が描かれています。作品のタイトルは「大江山鬼人退治」であり、頼光説話が、酒呑童子退治を頂点とする伝説であることがよく分かります。
【土蜘蛛退治】
『古事記』『日本書紀』『常陸国風土記』などに、大和朝廷に敵対する土着民を土蜘蛛と呼んでいた記述が残っています。しかし、一般に知られる土蜘蛛は、異界の存在として頼光説話の中に取り込まれたものです。『平家物語』剣之巻にのる蜘蛛切の名刀の由来話をもとに、能『土蜘蛛』や、江戸時代の『前太平記』によって、知られるようになりました。
【酒呑童子伝説】
酒呑童子伝説の起こりは南北朝時代といわれています。それを伝える現存最古の作品は逸翁美術館所蔵の『大江山絵詞』です。ここで描かれたストーリーは、その原型を保ちつつ、サントリー美術館所蔵の『酒伝童子絵巻』、御伽草子『酒呑童子』などをはじめとする数々の伝本を生み出しました。
