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孔雀図 / 東京国立博物館

孔雀

南アジアに分布するインドクジャクと、東南アジア~中国に分布するマクジャク。華麗な羽毛は美の象徴として珍重

分類的にはキジ科の2属(クジャク属とコンゴクジャク属)3種の鳥をいうが、ここではアジアに分布するクジャク属2種(インドクジャクとマクジャク)を指す。

いずれも日本には産しないが、インド、スリランカ、パキスタン東部、バングラデシュ西部など南アジアに自然分布するインドクジャクは、ペットとして移入されたものが各地で逸出し野外で繁殖しているため、「生態系被害防止外来種」に指定され、南西諸島の一部では駆除されている。一方、カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー、インドネシア、マレーシア、中国など東南アジア〜中国に分布するマクジャクはキジ類のうち最大最美の鳥といわれる。繁殖期に攻撃性が強いのでペットとされるよりも動物園で見るほうが多い。しかし、原産地でも生息数が減少し、飼養されているものも多くが亜種間あるいはインドクジャクとの雑種で、純粋なマクジャクは貴重となっている。

クジャクの華麗な羽毛(尾筒)は美の象徴として珍重され、古代から西洋で飼育されていたが、アレキサンダー大王がインドから持ち帰ったものが最初とされる。これはインドクジャクである。それに対してマクジャクが西洋に知られたのは、16世紀になってのことだ。天正遣欧使節がローマ法王に贈った絵画の一つにマクジャクが描かれていたことから、アルドロヴァンディの『鳥類学』(1599-1634)に新種として記載され、ヨンストンの『鳥獣虫魚図譜』の記載を経て、リンネが日本産クジャクとしてPavo muticusの名を与えている。つまり18世紀まで、ヨーロッパにおいてマクジャクは1枚の絵によってのみ存在し、日本の鳥だと信じられてきた。

日本にクジャクがもたらされたのは、推古6年(598)、新羅から献上されたクジャク1羽が最初とされる(『日本書紀』)。その後も朝鮮半島経由や遣唐使によるクジャク渡来の記録が数多いが、これらはやはりマクジャクであろう。インドに起源をもつ一面四臂の孔雀明王(くじゃくみょうおう)は、毒蛇をも食べるクジャクを神格化したもので、クジャクの背に乗っている。このクジャクは本来インドに産するインドクジャクのはずであるが、日本には中国経由で伝わったため孔雀明王図のクジャクはほとんどがマクジャクである(国宝「絹本著色孔雀明王像」などがその例)。

江戸期にはクジャクは見世物ともなって、寛永年間(1624-1644)の「四条河原遊楽図」にはクジャクの雌雄が描かれている。また寛政年間(1789-1801)には客寄せに珍鳥を飼う「孔雀茶屋」ができた。これらはのちに「花鳥茶屋」となって、動物園の先駆けとなった。

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「青い目の見た大正時代の日本」は、1917年~18年(大正6~7年)に撮影された日本各地の記録映像で、米国のスミソニアン博物館とNHKが保管しています。円山公園の満開の桜のもと、談笑しながら歩く女学生の列、公園の孔雀、ブランコを撮影した映像です。

正式名称「松島青龍山瑞巌円福禅寺」本堂・御成玄関、庫裡・回廊は国宝に、御成門・中門・太鼓塀は国の重要文化財に指定されています。本堂は修復され、平成28年4月に拝観が再開されました。中門・御成門などの修復は平成29年11月まで続きます。\n\n(この動画は、2011年に放送したものです。) 本堂には孔雀の間がある。

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  • 福岡県久留米市に所在。鳥類を74種飼育する。ホームページ内にクジャクのライブカメラあり。

  • 国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国内外の資料・情報を広く収集・保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供しています。                                             

  • 日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。

  • 平安時代から江戸時代の京都文化を中心とした文化財を取り扱う地域に根ざした博物館です。

  • 1877(明治10)年に創立された日本で最も歴史のある博物館の一つであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館。生物標本から地質・理工・科学史など多岐にわたる資料を保存している。

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  • 日本に定着している外来種に関するデータベース。インドクジャクに関するデータが記載されている。

  • 公益財団法人東京動物園協会運営のサイト。動物の写真、鳴き声、飼育園館などがまとめられている。

  • 東京都中央区京橋にあるアーティゾン美術館のコレクションデータベース。円山応挙画「牡丹孔雀図屛風」を見ることができる。

  • 神奈川県足柄下郡箱根町にある私設美術館の収蔵品データベース。伊藤若冲画「孔雀鳳凰図」を見ることができる。

参考文献

  1. 日立デジタル平凡社,平凡社
  2. 狩野博幸 監修,河出書房新社
  3. 今橋理子 [著],講談社