デジタルアーカイブジャパン・アワード(DAJアワード)2025
目的
社会全体のデジタル化が進む中、創作活動や知的活動の共通基盤となるデジタルアーカイブの役割が改めて注目されています。本アワードは、デジタルアーカイブの拡充や利活用の促進に積極的に取り組むアーカイブ機関及び活用者等を顕彰し、それらの取組を広く社会に紹介することで、デジタルアーカイブが日常に溶け込んだ豊かな創造的社会の実現を目指します。
表彰の対象
2025年は、「ジャパンサーチ・アクションプラン2021-2025」に記載のある活動(アクション)に関する活躍や貢献を表彰することとし、表彰する対象はジャパンサーチの連携機関に限らず、デジタルーカイブに取り組む機関又は活用者としました。
過去の受賞機関は次のページをご覧ください。
表彰の選考基準
次の5つの観点から、それぞれのデジタルアーカイブに関する活動における貢献に基づき、受賞者を選定しました。詳細は、受賞理由をご覧ください。
①オープン化の推進
②つなぎ役としての貢献
③利活用の促進
④地域情報の発信
⑤その他の貢献(新サービス、人材育成など)
2025年受賞機関
【受賞理由】
インターネット上で公開されている源氏物語の写本・版本画像と、原文・現代語訳等のテキストデータを、TEIガイドラインやIIIFなどの国際標準規格に準拠する形で相互にリンクし、自由に行き来できるデータベースを構築しています。実務者と研究者による協働を通じて、AIを用いたくずし字認識や画像検索など、様々な技術を組み合わせてデータの作成やシステムの開発を行っており、他のアーカイブ機関において参考になる部分が多い点を高く評価しました。
【受賞のことば】
裏源氏勉強会は、東京大学総合図書館所蔵『源氏物語』の画像公開を機に、「『源氏物語』研究にとって有意義なデジタル機能は何だろう?」をテーマに2019年から活動しています。中古文学、情報学それぞれの専門家や図書館職員有志など様々な立場のメンバーで議論し、その成果として「デジタル源氏物語」を公開しています。『源氏物語』研究者だけでなく、多くの人が楽しめる、古典とデジタルが融合したサイト構築に今後も取り組んでまいります。
(裏源氏勉強会メンバー 一同)
【受賞理由】
菊池市の貴重な文化資産やゆかりの人物に関する資料、教育関係資料、行政資料などを積極的に収集、保存、公開することで、地域学習の支援や郷土の魅力を再発見するきっかけを提供しています。教育現場での利活用を目的とした「こども向け学習コンテンツ」をはじめ、利用者のニーズに対応したきめ細やかな配慮がなされており、他のアーカイブ機関において参考になる部分が多い点を高く評価しました。
【受賞のことば】
菊池市デジタルアーカイブの取り組みをご評価いただき、大変光栄に存じます。菊池市立図書館では、デジタルアーカイブの存在が菊池市の魅力を再発見するきっかけになることを目指し、市民の方のお力添えも頂きながらコンテンツ作成を行っています。今後も地域の内外から活用され愛されるアーカイブを念頭に、より一層努めてまいりたいと思います。この度は本当にありがとうございました。
(菊池市立図書館長 松寺 盛親)
【受賞理由】
日本のアニメーション映画史に関する基礎資料でありながら絶版となっている書籍「日本アニメーション映画史」のうち、1917~1977年に製作された作品を収録した「第三部 資料編作品 目録」について、内容の改訂を行い、ウェブ上で公開しています。目録情報の改訂にあたり、神⼾映画資料館所蔵フィルムの現物調査を実施することで、典拠となる作品情報の信頼性向上に努めており、民間によるアーカイブ構築及び利活用推進の注目すべき取組である点を高く評価しました。
【受賞のことば】
この度は「神戸映画資料館所蔵アニメーションフィルムのデジタルアーカイブ事業」の取組みをご評価くださり大変光栄に思います。ウェブ版『日本アニメーション映画史』はテスト稼働の段階であり、今回の受賞は、今後の調査研究とデータベース整備の大きな励みとなるものです。所蔵アニメーションフィルムの情報を加え、ウェブ上で発信することで、埋もれていた価値発掘につながることを祈念いたします。
(神戸映画資料館館長 安井喜雄)
【受賞理由】
アジア歴史資料センターは、国立公文書館、外務省外交史料館、防衛省防衛研究所戦史研究センターから提供された、近代の日本とアジア近隣諸国との関係に関する200万件以上の資料のデジタルアーカイブを構築しています。資料の特色と規模に加えて、情報技術環境の変化に対応しながら、我が国を代表する歴史資料アーカイブとして20年以上にわたってサービスを継続してきた点を高く評価しました。
【受賞のことば】
アジア歴史資料センターは、日本と近隣諸国との相互理解の促進のため、外務省外交史料館、防衛省防衛研究所、国立公文書館からデジタル化資料の提供を受け、インターネットを通じて世界に公開するサービスを2001年より実施しています(現在まで約223万件、3300万画像を提供)。近年は他機関との連携や、インターネット特別展、ニューズレターの配信、SNS等による広報活動の拡充を通じて、多様なニーズに応えられるよう努力しております。
(国立公文書館アジア歴史資料センター長 波多野澄雄)
【受賞理由】
人文学オープンデータ共同利用センターは、古典籍のくずし字画像データセットや出版社との連携によるオープンデータの提供、OCRの開発、IIIF公開画像を利活用するためのIIIF Curation Viewerの開発など、人文学分野において有用なデータや技術、サービスの提供を継続的に行っています。情報技術を用いた新たなデジタルアーカイブの可能性を示しており、デジタル人文学におけるコンテンツ利活用の基盤となっている点を高く評価しました。
【受賞のことば】
ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター(略称:CODH)」は、2016年4月に誕生した、人文情報学・デジタルアーカイブの研究センターです。それから約10年、日本古典文化から歴史ビッグデータまで、様々なプロジェクトに取り組んできました。関わってくださった皆様に、改めてお礼申し上げます。デジタルアーカイブがAI時代も重要な役割を果たせるよう、情報学と他分野の協働に基づく新たな基盤の開発を継続していきます。(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター センター長 北本朝展)





