解説
昭和13年(1938)と同14年(1939)、吉田博は陸軍省嘱託の従軍画家として中国に派遣され、中国各地を訪れてスケッチを残した。その成果として、《河口》《盧山》《小姑山》《星子》《石鐘山》《蘇州》の5点の中国風景を発表している。本図に描かれた小姑山は、中国安徽省安慶市宿松県の南東60キロ、長江河畔にそびえる小さな山で、川の中に孤独に立っている様子から「小孤山」とも呼ばれる。長江の中に突き出した独特な景観は長江第一の絶景として知られ、古来より多くの詩人に歌われ、また歴史の舞台ともなってきた。ここでは、長江の雄大な流れに抗うように佇む巨大な山が、濁った川面をゆく帆船を悠然と見下ろしているようである。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09