解説
鮮やかな紅葉の中で3羽のシジュウカラと思われる小禽が戯れている。紅葉した葉はそれぞれ赤の色合いに細心の注意を払い彩色されている。一番左に描かれた小禽の首を上げる姿は自身が第11回文展に出品した《春禽趁晴図》(所蔵先不明)の中にも見ることができる。紅葉の葉や幹に輪郭線はなく、隈取りの技法を上手く使い、見事に表現している。落款・印章から、制作は渡欧から帰国した直後の大正10年(1921)頃から昭和初期にかけてと推測される。麦僊は渡欧を通して、改めて日本美術の奥深さや美しさを再考することができたという。それは本作のような日本画特有のぼかしの効果を駆使したような作品からも窺え、新鮮な気持ちで、日本画の制作を楽しんでいるようにも感じられる。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09