[重要美術品]宸翰 源氏詞 [Important Art Object] Imperial Poetry: Genji kotoba (Words from the Tale of Genji)[じゅうようびじゅつひん]しんかん げんじのことば
解説
後西(ごさい)天皇筆による『源氏物語』帚木(ははきぎ)の巻の書写。後西天皇は、後水尾天皇の第8皇子として誕生。在位期間は1655年〜1663年。父天皇の資質を受け継ぎ、和歌や連歌に優れ、古典への関心も高かった。ほかにも書道や茶道、香道にも精通し、勅作の香銘も多くある。また、古記録の謄写(とうしゃ)にもあたり、譲位の後もその活動を続けた。 この書は、『源氏物語』帚木巻における雨夜(あまよ)の品定めの一部を書写している。長雨の続く五月のある一夜、光源氏と頭中将(とうのちゅうじょう)が女性について品評している中に、物忌(ものいみ)で左馬頭(さまのかみ)、藤式部丞(とうしきぶのじょう)がやって来て、四人で女性論を交し合うことになった。左馬頭と藤式部丞は「世のすきもの」(世間で知らない人のいない好色者)で、頭中将はその二人が来たことで話が盛り上がると感じたということが「中将待とりて」(頭中将は待ちかまえていたと言わんばかりに迎え入れて)との言葉からわかる。 なお、この書の頭に「はゝ木々」とあり、その後に「左の馬のかみ・・・・・・」と続いているが、帚木の冒頭の文言とは異っており、抜き書きされたと推定される。[解読文]「はゝ木々 左の馬のかみ藤式部のせう御 物いみにこもらんとてまいれり世のす きものにて物よくいひとほれるを 中将待とりて此品々をわきまへ さためあらそふいと聞にくき 事おほかり」[現代表記]「はは木々 左の馬のかみ 藤式部のぜう 御物いみにこもらんとてまいれり 世のすきものにて 物よくいひとほれるを 中将待とりて 此品々をわきまへ さだめあらそふ いと聞にくき事 おほかり」
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09