神樂坂通 雨後の夜(「東京拾二題」より) Kagurazaka Street at Night after Rain, from the Series "Twelve Scenes of Tokyo"かぐらざかどおり うごのよる とうきょうじゅうにだい より
解説
店から漏れる灯りや街灯が、雨上がりの湿気を含んだ空気のなかで淡く暖かい光を放っている。濡れた夜の神楽坂通りの路が、室内の光や軒灯、街灯を美しく反映する様は、幻想的ですらある。東京都新宿区にある神楽坂は、江戸時代に牛込見附から小浜藩酒井家を結ぶ通りとして整備され、武家屋敷が建ち並んでいたが、寛政4年(1792)に「毘沙門天善國寺」が移転してくると、参拝客で賑わいを見せるようになった。明治時代以降は町人の街へと移り変わるなかで花街も誕生し、赤坂や浅草、向島などと並ぶ「東京六花街」のひとつとして、東京でも指折りの繁華街に数えられるようになった。この「夜」「雨」「光」という魅力的な画題の組み合わせは、吉田博の心に強い印象として残っていたのだろう。本作の4年後に制作した『関西』シリーズ《京都之夜》においても、本作品とほぼ同じ構図で雨の夜の景色を描いている。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09