解説
籠の中のカナリアを覗く淑やかな女性。モデルは名作《朝涼》(鎌倉市鏑木清方記念美術館蔵)にも登場した画家の長女清子と見られる。耳を出した現代風な髪型に大柄の麻の葉文様をあしらった着物、胸高で締めた帯の着こなしは当時の流行を反映しており、加えてブレスレットや指輪、スリッパ、花瓶敷き、カーペットなどにも現代的な要素が取り込まれ、こうした一つ一つが清方の関心事であったことが知れる。また籠の下に吊り下がった小さな子猫の飾りにも、彼の遊び心が隠されている。画題でもある「ローラーカナリア」は鳴き声を楽しむため改良された品種で、当時真新しいペットとして持てはやされていたのであろう。左上から右下に視線を送らせる構図も観る者に安心感を与える。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09