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解説

左右を隔て、各々岩を伝って落ちる一条の滝を中心に、右幅に咲き誇る桜、左幅に散りゆく楓を配し、水煙けむる春秋の風情を描き分けている。さらに二筋の滝の流れは下方へ溶けこむかのように飲み込まれ、画面外に広がる空間をも予感させる巧みな効果がみられる。滝の流れに輪郭線は見られず、ここには「朦朧体」と揶揄された没線描法の成果が見られる。ただし桜や楓の明快な色彩表現や岩肌のブロックのような幾何学的な描写は、この頃春草が取り組んでいた脱没線描法の試みを示す。同年に描かれた《紅葉山水》(永青文庫蔵)にも同様の試みがなされている。春草が明治41年(1908)に眼病を発病した後、一時小康状態を取り戻した束の間の期間に描かれた最晩年の佳品といえよう。

メタデータ

教育

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東京富士美術館収蔵品データベース

日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。

2026/01/09