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解説

玉堂が奥多摩に疎開する2年前、牛込若宮町の画室時代に描かれたもの。彼の代表作《峰の夕》(個人蔵)を思わせる残雪の尾根と立ちこめる靄を背景として、山間の農家のほのかな春の訪れを精細な情感で捉えている。庭先のほころび始めた梅、芽を出し始めた畑の青菜、のんびりと薪を割る農夫など、何気ない光景に玉堂の温情豊かな感覚が読み取れる。玉堂の風景画の特徴の一つは墨色と彩色とのバランスにあるが、本作でも淡墨で描かれた遠景の尾根に明るい彩色を用いた近景の山村を心地よく対比し、日本特有の湿潤な空気に包まれたのどかな山里の風景をありのままの臨場感で描き出している。玉堂自らが修得した円山四条派と狩野派の技法を見事に融合させた独自の画境を示す秀品である。

メタデータ

教育

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東京富士美術館収蔵品データベース

日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。

2026/01/09