解説
「菊寿」とは、9月9日に行う重陽の節句。節句の折りには、菊花酒を飲みかわすなどして長寿を願ったとされる。また菊は長寿を寓意し、画題としても良く用いられる。本作はこの菊の宴を終えた後であろうか、菊を愛でながらくつろぐ婦人の姿が描かれる。鮮やかな黄赤色を基調とした鹿の子柄の入った着物にやや黄味がかった水色の色打掛という取り合わせが鮮やかで、白い女性の肌と菊の花を際立たせている。特に打掛の裏地に薄い黄赤色を使い、青系統とオレンジ系統という補色の色同士を組み合わせており、松園の色彩への細やかな意識を窺わせる。女性は江戸の元禄時代以降に流行ったとされる投島田を結い、鼈甲製の櫛、笄、簪で髪を飾っている。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09