解説
空が茜色に染まる中、1日の漁を終えた3人の釣り人が家路へ帰る情景が描かれる。画面のうち、前景の人物は薄い輪郭線をもって描かれるが、水面や葦の茂み、空の表現には輪郭線は見当たらない。中でも、空の色を映し込んだ水面の表現は効果的で、夕暮れの静寂なひとときを演出している。春草は本作制作の前年頃から、こうした「没線描法」を試み始めたが、特にこの描法に適した水辺の画題に関心を示し、《菊慈童》(飯田市美術博物館蔵)、《釣帰》(山種美術館蔵)などの代表作を残している。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09