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ブラスナー氏の肖像 Portrait of Jules Brassnerぶらすなーしのしょうぞう

解説

1970年代に入るとウォーホルは「注文肖像画」を手がけるようになる。「ビジネス・アート」を標榜する彼にとって、彼が創刊した雑誌『インタビュー』の取材やナイトクラブ「スタジオ54」での社交などを通して広げた人脈は、「注文肖像画」を得るうえで欠かすことのできないものであった。ウォーホルの肖像画制作は、スタジオで撮影したモデルのポラロイド写真を拡大してシルクスクリーンに転写するというものであり、いたってシンプルである。写真を転写するカンヴァスには、あらかじめ作品の仕上がりをイメージして、下地となる色とともに、さまざまな色や形を塗っておく。絵具が乾いたら、その上にシルクスクリーンでプリントして完成である。「注文肖像画」は1点で25,000ドル、2点で30,000ドルといった値段がつけられており、ウォーホルの作品としては比較的安価であったため、彼の作品を求める人々から多くの注文を受けた。このようにして制作された肖像画は1000種類を越えるとも言われている。本作もこの時代に制作された肖像画の1つ。ジュールズ・ブラスナー(1918-2015)は、ニューヨークをはじめとしたアメリカ美術業界で著名なアートディーラーで、ウォーホルをはじめ多くの芸術家らと親交を持っていた。また実業家、社会活動家としても幅広く活躍して、日本とも深い親交があった。ここには正面を見つめ右手を頬にあてた50歳頃のブラスナーが描かれている。微笑を浮かべた表情からは彼の柔和な性格が伝わってくる一方で、正面をしっかりと見据えた眼差しからは、実業家としての自信に満ち溢れた様子がうかがえる。本作には、背景を明るい青一色で塗った別バージョンの作品がある。

メタデータ

収録されているデータベース

東京富士美術館収蔵品データベース

日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。

2026/01/09