解説
都市を愛し、機械文明のダイナミズムにひかれたフェルナン・レジェは、とくに第一次大戦直後から1920年代初期にかけて、近代都市を主題とした作品を多く描いた。近代化する都市に関して、レジェは、「戦後、壁や、町屋、物体は、突然にして強烈な色彩をもつようになった。家々は、青や黄や赤に着飾っていた。巨大な文字がその上に書かれていた。それが、派手で粗暴な近代生活なのである。」と語っているが、1918年から1919年にかけて、彼はそのイメージを《都市》(フィラデルフィア美術館所蔵)という題名の231×298cmの大作に表現した。本作はその準備段階の習作である。レジェは《都市》において、建物や足場、看板、労働者など、都市の景観を描き出したのであるが、後年、この絵について「私は《都市》において混じり気のない平面的な色彩による絵画を構成した。技法的にいって、その絵画はひとつの造形的革命であった。抑揚とか明暗といったものを用いずに、深さと躍動性が達成され得たのである。」と画家自身が語ったように、重なり合う平面的な色彩と幾何学的な形状による革新的な表現によって、工業化が進む都市の街中にあふれる色彩と喧騒、その躍動感をひとつの画面に見事に凝縮してみせたのである。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09