解説
リュシッポスは前4世紀中頃から末期に活躍したギリシアの著名な彫刻家で、アレクサンドロス大王の宮廷彫刻家であった。生涯に1500点にのぼる作品を制作したとの伝承が残っている。しかし、原作は失われ、現在はローマ時代の彫刻家によって模刻された作品(ローマン・コピー)でしか知ることができない。本作もそうしたローマ時代の彫刻家によるリュシッポス作品の模刻の1点。なお、本作とほぼ同種の卓上を飾る彫像作品がルーヴル美術館に所蔵されている。本作は卓上用の小彫像ながら、実際の作品のスケールをはるかに超える迫力とボリュームを備えており、原作の完成度の高さをうかがわせる。同じくローマン・コピーによって知られているリュシッポスの代表作はヴァティカン美術館所蔵の《アポクシュオメノス(垢を掻き落とす青年)》。ローマ時代の彫刻家による模刻は、オリジナルが現存しないギリシア彫刻のありし日の姿を現代に伝える重要な遺産となっている。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09