解説
ヘラルト・デ・ライレッセは、17世紀フランドルを代表する歴史画家。フランス古典主義の影響を受けた彼の美術理論は著作『大画法書』で知られ、同書は江戸時代の日本に伝わって、北斎などの浮世絵師らにも影響を与えられたと考えられている。本作の主題は、旧約聖書「創世記」の一場面。昼の暑いころ、100歳のアブラハムが、樫の木がある天幕の入口に座っていると、主の使いである3人の天使の訪問を受け、彼らの足を洗い、食べ物を供して歓迎した。天使たちはアブラハムに「90歳の妻サラが彼の子を授かる」ことを告げる。後ろで予言を聞いていたサラは、おもわず笑ってしまうが、「なぜ笑うのか。主に不可能はない」と咎められ、サラは急いで笑ったことを否定する。本作では天幕は立派な建物として表現され、3人の天使たちは導きを象徴する杖を持って表現されている。画面中央では、年老いたアブラハムが驚いた表情で手を広げ、ややわかり辛いが、画面右端の扉の奥の暗がりで妻サラが聞き耳を立てている。後日、彼らの言葉通り男の子が生まれ、イサクと名付けられた。イサクはヘブライ語で「彼は笑う」という意味である。ある時、アブラハムは神の試練として「少年のイサクを神に犠牲として捧げよ」との命令を受けたとき、それに服する姿勢を示して信仰の篤さを認められたのである。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09