解説
この肖像画に描かれているアダム・ファーガソン(1723-1816)は、『国富論』の著者アダム・スミスと並ぶ、スコットランド啓蒙を代表する思想家である。主著に『市民社会史論』があり、原始社会から市民社会への発展を論じた本書は、マルクスらの社会的分業論に大きな影響を与えたとされる。1759年、彼はデヴィッド・ヒュームの後押しでエディンバラ大学の教授となった。のちに彼が担当した道徳哲学講座はエディンバラ大学の人気講座となり、遠くロンドンからも受講者が訪れたという。本作に描かれたファーガソンの傍らにも、道徳哲学についての著作が積まれている。仄暗い部屋を背景に、赤い椅子に座る碩学の風貌が、強い明暗表現によって浮かび上がっている。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09