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解説

肖像の人物が誰なのかはわからないが、おそらくブルジョア階級の女性であろう。身に纏う黒いドレスが乳白色の艶やかな肌を引き立てる一方で、真珠のブレスレットとイヤリングという華美に飾らないアクセサリーが、女性の奥ゆかしさを表現している。身体の前に添えられた右手は純白のハンカチを優雅に摘んでいて、その仕草がモデルの上品な雰囲気をより一層引き立てている。本作が描かれた1828年はシャルル10世の治世で、その2年後の1830年には王政に不満を持ったフランス国民による7月革命が勃発してブルボン王朝は打倒される。その後ブルジョアジーの推すルイ・フィリップが王位に就くなど、社会体制が大きく揺れ動く時期であった。ルイーズ・アメリ・ルグラン・ド・サン=トーバンが、フランス宮廷で図案工として活躍した父オーギュスタン(1736-1807)とは異なり、市民の肖像画や風俗画に活路を見いだしたのも、そうした時代背景によるものであろう。

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教育

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東京富士美術館収蔵品データベース

日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。

2026/04/29