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解説

エンネルは1864年から神話画、肖像画を中心にサロンへ作品を発表していくが、1870年の普仏戦争によって故郷アルザスがドイツに占領されると、翌年に《アルザス》(国立ジャン=ジャック・エンネル美術館蔵)を発表し、その後は「マグダラのマリア」や「死せるキリスト」のような死をテーマとした作品を連続して発表していく。また同じく作風もアカデミックで明快な写実描写から輪郭線をぼかし明暗の対比を意識した描法(キアロスクーロ)へと転じていった。1879年、《墓の中のキリスト》(オルセー美術館蔵)とともにサロンに出品した《牧歌》(パリ市立プティ・パレ美術館蔵)にはその特徴がよく現れている。本作も女性の髪、目元の影、上着に見られる黒と、女性の肌、中に着ている服の白とが強いコントラストで描かれている。輪郭線が判然としないこのような女性像は、エンネルの晩年の特徴をよく表している。こうした輪郭線の描写には、エンネルが若い頃に目にし、影響を受けたイタリア絵画に使用されていたスフマート技法が生かされている。また、エンネルは最晩年に至るまで、本作に見られるような小さな画面の肖像画を、板やカンヴァス、ボードを用いて数多く残している。

メタデータ

教育

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東京富士美術館収蔵品データベース

日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。

2026/01/09