解説
ルイ14世の死後、若きルイ15世をルイ14世の甥にあたるオルレアン公フィリップが摂政(レジャン)として支えた時代の様式を「レジャンス様式」といい、ルイ14世の重苦しい雰囲気を幾分払拭した軽快さが見られる。本作はその同時代に活躍した時計職人シャルル・ヴォアザンによる壁掛け時計である。ヴォアザンはルイ14世が没する直前の1710年にマスターを習得しており、その後、多くの時計を手がけた。時計の文字盤の下には貝の上に座るクピドが装飾され、左右両側には当時の定番のモティーフの一つでもあった竜がこちらに向かって咆哮する姿があしらわれている。文字盤の上には太陽王にふさわしく後光に包まれた神々しいルイ14 世の顔が配され、死後も彼の権威が持続していたことを窺わせる。ルイ14世時代は時計も角ばった重厚感のあるものが多く見られたが、本作では流動性や躍動感を感じさせるデザインが見られ、ロココ時代へ向かう兆候とも感じられる。竜の肌には細かな点を打ち、硬い肌の質感を表現するなど、細部への工夫もなされている。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09