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解説

 1881年3月、レーピンはサンクトペテルブルクで開催された第9回移動美術展覧会に、《夕べの宴》(国立トレチャコフ美術館所蔵)を出品した。《夕べの宴》はウクライナの風習を題材にした作品で、若者たちが秋や冬の夜に小屋に集って楽しむ様子を描いている。レーピンはこのテーマを、パリ留学から帰国したばかりの1877年に故郷チュグーエフで構想し、取り組み始めている。1880年夏には資料収集のためにウクライナを旅行し、《夕べの宴》のための習作を多数描いた。 1880年10月、レーピンのアトリエを文豪レフ・トルストイ(1828-1910)が訪れた。その後トルストイが亡くなるまで続く交流の最初の出会いとなったこの訪問では、アトリエのイーゼルに架けてあった未完成の《夕べの宴》やその他の作品について談義が交わされた。その際の様子をレーピンは友人のスターソフに宛てて書いている。「何よりも彼(トルストイ)が気に入ったのは、小ロシアの《夕べの集い》です−−−覚えていらっしゃるでしょう、あなたが見ようとさえしなかったものです。それを彼は『絵画』と呼んだのです。」 《ウクライナの女》は、トルストイが高く評価した《夕べの宴》に登場する、画面の中央でダンスを踊る若い女性の習作と推測される。ここにはウクライナの民族衣装に身を包んだ若い女の上半身が描かれている。画面右上からの光が、右手を腰に当ててポーズをとる女の陰影を際立たせ、モデルを立体的に浮かび上がらせている。緑の首飾りや肩口の赤い刺繍が白い衣装を引き立て、暗い背景に溶け込むように描かれた赤い花と緑の葉が、写真のソフトフォーカスのように女の存在感をより際立たせている。全体的に荒い筆致で描き出された画面には、パリ留学時代に身近に触れた印象派の影響が色濃く伺える。*今村嘉吉氏旧蔵品

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収録されているデータベース

東京富士美術館収蔵品データベース

日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。

2026/01/09