源頼家公鎌倉小壺ノ海遊覧 朝夷義秀雌雄鰐を捕ふ圖 Asahina Yoshihide Fighting to Capture Two Crocodiles on the Occasion of the Lord Minamoto no Yoriie's Sea Excursion off the Coast of Kamakura-Kotsuboみなもとのよりいえこうかまくらこつぼのうみゆうらん あさひなよしひでしゆうのわにをとらうず
解説
海中で鰐を捕まえているのは、この絵の主人公で武勇に優れた鎌倉時代初期の武将、朝比奈三郎義秀。数々の伝説に彩られた人物として物語や歌舞伎にも度々登場する。のちに北条氏に反旗を翻した和田義盛の三男で、安房国朝夷郡(あさいぐん)(現在の千葉県南房総あたり)に生まれたのでその名がある。ここに描かれているのは、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』に登場する一場面。正治2年(1200)9月2日、源頼家(みなもとのよりいえ)は小壺(現在の神奈川県逗子市小坪)の海辺を遊覧した際に、いつものように御家人たちに武芸の披露を行わせた。その後、海上に船を浮かべて酒を振舞っていた時に、泳ぎの名人との評判が高かった義秀にその技を披露するように命じた。そこで義秀は見事な泳ぎを見せた挙句、海中に潜ると生きた鮫を3匹捕まえて浮上してきた。驚いた船上の人々は義秀を喝采で迎えた。鮫はここでは鰐として表現されている。この鰐は、江戸時代後期の蘭学者、森島中良が著した『紅毛雑話』(天明7年(1787)刊行)に掲載されている「カイマン」の図をもとに描かれており、その後も同じく国芳の「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」(嘉永4年(1851))にも鰐鮫として登場する。
収録されているデータベース
東京富士美術館収蔵品データベース
日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点の内、約2,000点を掲載。
最終更新日
2026/01/09