解説
明治33年(1900)7月に発行された秋蚕法の講義をまとめた一冊である。当時、秋蚕の飼育法は様々で“標準”というものがなかったため、知識の乏しい秋蚕家や未経験者が投機的事業として誤認しがちであったようである。このことは著者らにとって非常に残念な事であった。そのため、秋蚕業改良の指針を分かりやすく示すことにしたと著者は述べている。講義内容としては、総論で養蚕に必要な要素を4つ(気候・蚕種・桑・飼育)挙げ、このどれか1つでも揃わなければ良い養蚕は期待できず、しかし4つ全て揃うのは10年に1度くらいであり、その時だけが非常の豊作で、通常の繭収穫量は少しであることが前提であると断っている。そのため、人為的なことは完全の方法をとるべきだとした後、大きく蚕種・飼育・蚕病予防の3項目に分けて詳しく解説している。その中でも飼育については最も重要な項目のため、さらに掃立・給桑の事・分箔・除抄の事・室内気候の加減・蚕児の鑑定・上簇法・熟蚕の拾い方などの作業ごとに分けて詳細に記している。
収録されているデータベース
信州デジタルコモンズ 県立長野図書館所蔵資料
長野県の文化機関の所蔵資料のほか、信州の人々が営んできた身近な生活の記録を画像や映像で残し、「知の共有地」として活用するデジタルアーカイブ「信州デジタルコモンズ」で公開している資料のうち県立長野図書館所蔵分です。
最終更新日
2010/03/10