解説
後奈良天皇〈ごならてんのう・1496-1557〉は後柏原天皇〈ごかしわばらてんのう・1464-1526〉の第二皇子で、第105代の天皇。名は知仁(ともひと)。大永6年〈1526〉父帝のあとを受けて践祚。しかし、折からの戦乱の世に即位式を挙行する費用がなく、10年後にようやく即位した。皇室衰微の中にもなお天皇としての深い自覚を示し、天文9年〈1540〉『般若心経』を書写して諸国の一ノ宮に奉納、当時流行していた飢饉と疫病の終息を祈念したことが知られる。また、好学の天皇は三条西実隆〈さんじょうにしさねたか・1455-1537〉や清原宣賢〈きよはらのぶかた・1475-1550〉から和漢の講義を受け、古典の書写・継承につとめて和学の興隆に寄与した。筆跡は、書流史上、後柏原院流にその名を連ねており、父帝の豊潤にしてのびやかな書風に酷似する。この短冊は、自署に「知仁」とあるところから、即位以前の親王時代の執筆と知る。歌題は別筆。
収録されているデータベース
Keio Object Hub
慶應義塾には、160年を越える歴史の中で集積された多様な領域にわたる文化財コレクションがあります。これらのコレクションは、図書館、研究所にとどまらず、学部や一貫教育校など学内のさまざまな場所で収蔵・活用され、専門性を反映した豊かなコレクション・データベースが編まれてきました。 Keio Object Hubは、これらのデータベースを連携させ、展覧会や講演会など、学内で展開する文化関連活動と結びつけ...
最終更新日
2022/09/11