解説
後水尾天皇〈ごみずのおてんのう・1596-1680〉は第108代天皇。後陽成天皇の第3皇子。在位18年の後、明正・後光明・後西・霊元天皇の4代にわたって院政を行なった。学問・詩歌に通じ、書についても造詣が深かった。また洛北に修学院離宮(しゅがくいんりきゅう)を造営したことでも知られる。「萬鶏」、「黄鶯」、「千歳の雅風」、「一天四海(世界)波しづか」、「五風十雨(5日ごとに風が吹き、10日ごとに雨が降るという、豊穣をもたらす順調な天候)」と、めでたい語句が綴られた年賀の文である。散らし書きされた文字群が、雁行して並んでおり、美しい賀状を呈している。文字の姿も線の趣も、凛とした鋭さが冴え渡り、新春を祝うにふさわしい一通である。2枚にわたって書写された礼紙消息。後半の1枚が失われているために、誰に宛てたものか不明。島原松平子爵家伝来。「誠に萬鶏暁を唱え、黄鶯春を報じてより、一天四海波静かに、五風十雨、折を違えぬ時至り候えば、朝廷には千歳の雅風を集め、国家には太平の曲調をなさんか。」
収録されているデータベース
Keio Object Hub
慶應義塾には、160年を越える歴史の中で集積された多様な領域にわたる文化財コレクションがあります。これらのコレクションは、図書館、研究所にとどまらず、学部や一貫教育校など学内のさまざまな場所で収蔵・活用され、専門性を反映した豊かなコレクション・データベースが編まれてきました。 Keio Object Hubは、これらのデータベースを連携させ、展覧会や講演会など、学内で展開する文化関連活動と結びつけ...
最終更新日
2022/07/10