解説
京都の市中とその郊外を描いた洛中洛外図屏風は、室町時代末期のころに成立、近世初期に流行をみせる。広い都の景観を俯瞰して、名所や四季の行事、市井の生業などを細緻な画面で構成する。それは当世の政治・経済・文化のさまを克明に投影するものであった。この屏風は、金銀の砂子を一面に撒いて表現した雲の間から、京の景物が見え隠れする。右隻は、鴨川を越えて、方広寺の大仏・鐘撞堂などを中心に、清水寺・知恩院・三十三間堂・祇園等々、東山一帯の景観を配置する。また、左隻には、北野社を中程に配して、周囲に高尾・金閣寺・嵯峨天竜寺・臨川寺など、洛北・洛西の北山・嵯峨野一帯を望む。本屏風は、細密に描かれる洛中洛外図屏風とはいくぶん趣を異にし、ゆったりと穏やかな画面構成、建物や人物の簡略な描法に素朴な味わいが特徴である。
収録されているデータベース
Keio Object Hub
慶應義塾には、160年を越える歴史の中で集積された多様な領域にわたる文化財コレクションがあります。これらのコレクションは、図書館、研究所にとどまらず、学部や一貫教育校など学内のさまざまな場所で収蔵・活用され、専門性を反映した豊かなコレクション・データベースが編まれてきました。 Keio Object Hubは、これらのデータベースを連携させ、展覧会や講演会など、学内で展開する文化関連活動と結びつけ...
最終更新日
2022/07/03