『聖アントワーヌの誘惑』(第3集再版)Ⅱ. 聖アントワーヌ:主よ!助けたまえ! Temptation of Saint Anthony (Third Series) : II. Saint Anthony: Help me, O my God!『せいあんとわーぬのゆうわく』(だい3しゅうさいはん)2.せいあんとわーぬ:しゅよ!たすけたまえ!
解説
オディロン・ルドン(1840–1916)は、フランス南西部ボルドー生まれ。生後すぐ、両親の下から離れ、田舎に住む親戚の老人に預けられ、孤独な少年時代を過ごす。ボルドーに戻ってからも、疎外された青年時代を送るなど、これらの体験が人間の内面世界を探求する作風の原点となる。画業の前半から取り組んだ木炭画や版画では、最も精神的な色とルドンが語る黒を主に用いて、夢や幻想に満ちた世界を表現した。本作は、計3種類刊行された『聖アントワーヌの誘惑』リトグラフ挿絵集のうちの第3集再版。聖アントワーヌは3世紀から4世紀にかけてエジプトで修道生活を送ったキリスト教の聖人である。砂漠での禁欲生活を送る中で、幻覚にとらわれ、悪夢の一夜を過ごす。恐ろしい「死」や艶めかしい「淫欲」と聖人が対峙するなど、深い内的なヴィジョンに満ちた世界を表現している。また、聖人が見た幻影である異形の怪物や悪魔の姿には、当代の植物学者から得た科学的知見が取り入れられており、博物学的関心をもっていたルドンにとって、そうした関心を発展させる絶好の題材となったことも推測される。
収録されているデータベース
北海道デジタルミュージアム
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最終更新日
2026/04/06